研究課題
次世代X線源「X線自由電子レーザー (XFEL: X-ray free electron laser)」の高度利用に不可欠なXFELのナノ集光技術の確立を目的に,これを実現し得る光学系として,ビーム拡大のための「開口数変換光学系」と,極限集光のための「大開口数集光光学系」からなる多段光学系の構築を目指している.本年度は,①グレーチング干渉計の高度化,②大開口数多層膜集光ミラー開発,③X線自由電子レーザー集光実験とその応用を中心に行った.①では,自己像から波面収差を抽出するための解析アルゴリズムを改良し,解析誤差の低減を図った.また,波面グレーチング干渉計の精度評価のために,SPring-8とSACLAにて同一ミラーを用いた比較実験を行った.結果として,λ/4以下の精度でミラー基板の形状誤差に相当する波面収差を計測することができた.②③では,①で得られた知見を基に,追加成膜によるミラー基板の形状誤差を修正した.SPring-8にて評価したところ,波面収差がλ/4程度に改善したことがわかった.SACLAにて得られた波面収差の結果をもとにシミュレーションによって集光径を評価したところ,10nm以下の集光を達成したことがわかった.さらに,銅薄膜の可飽和吸収現象の観察を試みた.2um厚の銅薄膜にXFEL集光ビームを照射したところ,焦点位置にて可飽和吸収現象を観測することができた.以上のように,XFELにて10nm集光ビームの形成とそれを用いた高密度光子場形成を達成することができた.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 12件、 謝辞記載あり 8件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (36件) (うち国際学会 18件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
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