研究課題/領域番号 |
23226005
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
宮内 敏雄 明治大学, 研究・知財戦略機構, 特任教授 (50016664)
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研究分担者 |
志村 祐康 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (30581673)
福島 直哉 東京大学, 工学系研究科, 特任助教 (80585240)
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研究期間 (年度) |
2011-05-31 – 2016-03-31
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キーワード | 熱工学 / 流体工学 / 環境技術 / 二酸化炭素排出削減 / エネルギー効率化 / 乱流燃焼 / 多次元複合光学計測 / 直接数値計算 |
研究概要 |
平成24年度は,数値的研究及び実験的研究をさらに高いレイノルズ数が実現できる高圧力環境下に拡張し,乱流予混合火炎における火炎面の階層構造を明らかにすることに重点をおいて研究を行った.数値的研究では,V型乱流予混合火炎及び旋回乱流予混合火炎を対象とした超並列GPUクラウドDNSを高圧力条件に拡張し,高レイノルズ数のDNSを実現した.前年度までに得られたDNS結果を総合し,乱流予混合火炎の火炎面のフラクタル次元及びinner cutoffに関する普遍的な相関式を提案し,それらをSGS燃焼モデルに反映させた.さらに,これらの乱流火炎のDNSを火炎内部の階層構造が形成されると予測される乱流微細構造と火炎の時間スケールが近い条件で行った.水素燃料を対象としたDNS結果から,最も基本的な火炎内部の階層構造を明らかにし,その形成過程と局所熱発生率に及ぼす影響を明らかにした.実験的研究では,ダブルパルスCH PLIF,OH PLIF及び二平面ステレオPIV同時計測を構築し,乱流噴流予混合火炎における計測を行い局所燃焼速度の直接計測の高精度化を行った.さらに四平面PLIFと二平面ステレオPIVとの同時計測により火炎面の階層構造を明らかにすることを予定していたが,火災事故(JSPS,文部科学省報告済,使用者に過失なし,原因不明)によって実験を中断した.実験的研究の遅れを補うために,平成25年度に実施予定であった水素・空気予混合気の希薄条件における等方性乱流中を伝播する乱流予混合火炎のDNSに着手した.また,高圧力・高レイノルズ数条件下の乱流予混合火炎における火炎面の階層構造を解明するために,高圧燃焼器(10気圧以下)を新たに設計・製作した.実験設備の復旧が完了次第,実験計測を円滑に遂行できるよう予備実験を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,数値的研究では高圧力条件の超並列GPU-DNSを実現し,DNS結果から乱流予混合火炎の階層構造の圧力依存性を明らかにすると共に,得られた知見をSGS燃焼モデルへと順次反映している.また,火災事故により実験装置が甚大な被害を受け,実験的研究を進展させることができなくなり,高圧燃焼装置の構築にも遅れが生じた.しかし一方で平成25年度に実施予定であった数値的研究課題を前倒して着手したため,研究計画全体としてはおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
火災事故のため,今後も継続して数値的研究を当初研究計画より先行させて実施し,火炎自体が持つ固有不安定性の波長選択が高レイノルズ数乱流予混合火炎における火炎面の階層構造に与える影響を明らかにすることとそのモデル化に重点を置いて研究を遂行する.
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