研究課題/領域番号 |
23226005
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
宮内 敏雄 明治大学, 研究・知財戦略機構, 特任教授 (50016664)
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研究分担者 |
中別府 修 明治大学, 理工学部, 教授 (50227873)
店橋 護 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40242276)
志村 祐康 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30581673)
福島 直哉 東京大学, 工学系研究科, 特任助教 (80585240)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 乱流燃焼 / 階層構造 / 複合レーザ計測 / 直接数値計算 / 超並列計算 |
研究実績の概要 |
本研究では,詳細化学反応機構を考慮に入れた超並列GPUクラウドによる直接数値計算(DNS)及び高解像度時系列粒子画像速度計(PIV)とOHラジカル及びCHラジカルの高時間分解能平面レーザ誘起蛍光法(PLIF)等を組み合わせた多次元複合光学計測を用いて乱流予混合火炎の火炎面及び火炎内部の階層構造を明らかにし,実用的な燃焼器において観察される高圧力環境下の高レイノルズ数乱流火炎の構造解明とモデル化を目的としている. 平成26年度は,数値的研究では,複雑燃料を対象とした高圧力条件下の超並列GPU-DNSを実現するために,計算手法の高度化に重点を置いて研究を行なった.化学反応機構最適化手法を用いて化学反応機構を局所的に最適化することで複雑燃料を対象とした高圧・高レイノルズ数乱流燃焼のDNS手法の高度化を進めた.さらに高圧力条件下における水素燃料を対象とした乱流予混合火炎のDNSを行い,その結果から特徴的な乱流火炎構造を明らかにするとともに,乱流微細渦の最頻直径と火炎面のインナーカットオフとの相関関係が高圧力条件下でも成立することを明らかにした. 実験的研究では,平成24年11月23日に発生した火災事故(JSPS,文部科学省報告済,使用者に過失なし,原因不明)からの復旧を完了し,大気圧下・高圧下の乱流予混合火炎を対象として多次元複合光学計測を用いて火炎面の階層構造を明らかにすることに重点を置いて研究を行なった.旋回型乱流予混合燃焼器および高圧燃焼器(10気圧以下)等を対象とした多次元複合光学計測法を行うために,時系列PLIF計測装置,四平面PLIF,二平面ステレオPIVの同時計測やダブルパルスCH2O PLIF,OH PLIF及び二平面ステレオPIV同時計測等の多次元複合光学計測法の構築を行った.特に高レイノルズ数乱流条件で火炎内部構造を明らかにするために重要となるCH2O PLIF及びOH PLIFの同時計測を二次元層流予混合火炎に適用して,その高精度化を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数値的研究・実験的研究共に本研究の目的を達成するために必要な研究手法の構築は殆ど完了し,当初予定されていた研究課題はほぼ予定通り遂行されている.数値的研究では,当初計画より順調に研究が進展している.実験的研究では,平成24年11月の火災事故以降実験設備の復旧が完了し,順調に計測装置の構築が進められている.研究期間終了時(平成27年度末)には当初予定していた成果が得られる見込みである.したがって,研究計画全体としておおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
数値的研究では,複雑燃料を対象とした超並列GPUクラウドDNSを進め,実験的研究では,大気圧条件でより高いレイノルズ数条件及び高圧力条件の乱流予混合火炎を対象として多次元複合光学計測を行い,乱流火炎の階層構造のレイノルズ数依存性及び圧力依存性や火炎内部構造の化学種依存性等を明らかにするとともに,数値的及び実験的研究結果を総合して,実際のLESと実験結果及びDNS結果との比較から高精度SGS乱流燃焼モデルを確立する.
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