研究課題
最終年度であることをふまえ、研究の柱を明確化しつつ、過去4年間の成果を発展させ、とりまとめる作業を進めた。陣内はヴェネツィアとその周辺のラグーナ(干潟)を調査し、両者の密接な関係を明らかにする一方、アマルフィ海岸のヴィエトリの現地調査を行って、渓谷沿いに発達した水力を用いた諸産業の在り方を研究した。同時に、世界の五大陸全てを現地調査した実績をもとに、港町の港湾空間が前近代・近代・現代と変遷し都心から外へ転出するメカニズムを比較研究した。伊藤は過去数年間に行った海外調査の成果の総まとめの作業を行う一方、日本イタリア国際シンポジウムを実施し、プロシーディングスを刊行した。岡本は三陸の漁師町・港町の調査を報告書にまとめた。石神は河川等水系の多様な利用の一つである動力水車を対象に国内調査を行い、その立地や利用形態と地域産業経済との関係を明らかにした。高村はアジアの水都を聖地の成立過程から解読する方法を検証するため、中国杭州、長崎県島原、東京を対象に水辺の意味の根源を探る調査研究を行った。同時に、水都学の成果発表の場である『水都学』の最終巻(Ⅴ巻)を刊行し、上記の成果に加え、この5年間に耕された重要なテーマ群の論考を掲載することで、水都研究の到達点を示した。また、法政大学デザイン工学部で12月に開催された2015年度都市史学会大会のシンポジウムで、「水都史」をテーマに掲げ、江戸東京の水都の歴史を議論した。ヴェネツィア建築大学のL.ガレアッツォの特別講演、陣内の基調講演に続き、文献史学、建築史、考古学、美術史の分野からの報告を受け、水都史の可能性を巡る討論を行った。国際舞台では、陣内が9月にブエノスアイレスでの建築ビエンナーレ展で開催された国際シンポジウム「水の都市」に、また10月には韓国・水原市での国際シンポジウム「水と歴史都市」に招かれ、西洋・東洋の専門家達と研究交流を行った。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 3件) 図書 (4件) 備考 (1件)
日本建築学会計画計論文集
巻: 第80巻715号 ページ: 2157-2165
Reconnecting the City-The historic Urban Landscape Approach and the Future of Urban Heritage
巻: - ページ: 261-268
日本建築学会環境系論文集
巻: 第80巻710号 ページ: 339-349
巻: 第80巻710号 ページ: 359-369
城下町金沢論集 城下町の文化遺産群と文化的景観 第1分冊
巻: 1 ページ: 7-79
佐渡相川文化的景観調査報告書
巻: 1 ページ: 132-136
http://suito.ws.hosei.ac.jp/