研究課題/領域番号 |
23227003
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
若槻 壮市 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究員 (00332114)
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研究分担者 |
後田 裕 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (10342601)
三宅 秀樹 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (20403115)
清水 伸隆 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (20450934)
樋口 岳雄 東京大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40353370)
松垣 直宏 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (50342598)
田中 秀治 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80311124)
原 康二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (90432236)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | DEPFET検出器 / X線結晶構造解析 / X線溶液散乱 |
研究実績の概要 |
平成25年度までに行ったテスト実験に基づきDEPFETセンサーおよび検出器の基本仕様を決定した。センサーは素粒子原子核実験用検出器BELLE-II PXDとほぼ同仕様(厚さ75ミクロン、ピクセルサイズは50x55ミクロン)のものを用い、低エネルギーX線に特化した2~3メガピクセルの平面型検出器とした。センサーモジュールの配置は、不感領域を考慮した二通りのレイアウトが可能である。 センサー製作はドイツ・マックスプランク研究所の協力によって進められているが、センサーの製作歩留りおよび製品品質の再現性に問題が生じ、26年度中のセンサー製作が困難であることが判明した。そのため研究を一年間延長し、工程パラメータ(温度管理やハンダ付等)の問題解決の後に、平成27年度中に16枚のセンサー(電極設置前段階)を完成させた。 センサーのサポート構造体を試作し、ダミーのセンサーを製作・設置して問題ないことを確認した。複数のセンサーモジュールを支えるメインのサポートフレームについても、熱交換器や冷却配管を含め製作が完了している。 放射光実験を遂行する上で必要となるデータ量およびデータ転送レートの見積を行った。データストレージにはSSD(1.6TB以上)を採用することやストレージサーバーおよびネットワークカードの構成等を決定した。これに基づきセンサー電源やデータ読み出し部関連物品(DHH(data handling hybrid)、PCIeカード、ストレージサーバ等)の製作および導入を行った。DHHからPCIeへのデータ伝送試験を進めており、開発環境の立ち上げおよびファームウェア書き込みまでが完了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ドイツマックスプランク研究所との協力のもと行われるセンサー製作において、製造歩留りおよび製品品質の再現性に問題が発生し、解決のために時間を要したため。シリコンウェハー基板上を幅数ミクロン長さ数センチに及ぶアルミニウム配線を行う技術的に挑戦的な工程であり、予期せぬ問題が発生した。具体的には、工程パラメータの最適化のため試験ランを追加し、温度管理やハンダ付行程の条件を変えた試作品の評価行う必要があった。そのため半年以上製作スケジュールが遅れ、更には納期を要する物品であるため発注すなわち研究遂行はほぼ一年近く遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
センサー製作の遅延のため、研究期間を1年延長し、平成28年度中に研究を完了する予定である。28年度はセンサーへの電極やASIC、ケーブル敷設を行い、完成した検出器モジュールをタイル状に並べ、一個の大型検出器として完成させる。検出器を制御するスローコントロールシステムの開発も行う。完成した検出器を用いて放射光ビームラインにおいてテスト実験を行い、データの質や検出器の操作性等の評価を行う。
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