研究課題
線虫において網羅的RNAiを行い、PUFAを欠乏する変異体においてのみフェノタイプが現れる遺伝子(PUFA感受性遺伝子)を数十遺伝子同定している。このうち、PURE-1と名付けた膜タンパク質が、正常状態では小胞体膜に局在するが、PUFA欠乏状態では酸性オルガネラ内に局在変化することを見出している。さらに、近年、酵母におけるPURE-1の相同分子が6分子からなる複合体を形成していることが報告され、「PUFA感受性遺伝子」として同定した別の分子PURE-2がこの複合体の構成分子であることも分かった。そこで、この複合体を構成する分子群について、生理機能ならびに細胞内局在に着目して解析を行った。まず、これらの分子群の欠損変異体を樹立し、表現型を観察したところ、いずれも卵母細胞の形成に異常が生じ、完全に不妊となった。また、PURE-1の変異体においては、coelomocyteと呼ばれるスカベンジャー細胞において、Fluid-phaseエンドサイトーシスに異常が生じることを見出していたが、その他の分子の変異体においても同様の異常が観察された。次に、これらの分子の細胞内局在を解析したところ、正常状態ではいずれも小胞体膜に局在していたが、PUFA欠乏状態においてはリソソーム内腔へと局在変化した。オートファジーの抑制によってこの局在変化が部分的に回復したことから、PUFA欠乏時のこれらの分子の局在変化にオートファジー経路が関与していることが示唆された。
2: おおむね順調に進展している
計画した通りの研究成果が得られ、今年度に設定した研究の目的をおおむね達成することができた。
引き続き当初の研究計画通りに研究を推進する。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (39件) (うち招待講演 4件) 備考 (4件)
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