鼻粘膜への抗原投与は、鼻粘膜の免疫応答だけではなく、遠隔の粘膜面である生殖粘膜でも免疫応答が誘導されることから、この分子・細胞メカニズムの解明は効率的・効果的な生殖器免疫すなわちHIVやHSVなどの性感染症に対する新世代粘膜ワクチンの開発に繋がると考えられる。本研究では鼻粘膜を中心とした顎顔面免疫と生殖器免疫とのクロストークに関わる分子群の同定を目指し、新たな細胞遊走因子群の関与を明らかにした。さらに、経鼻免疫はその安全性についての課題が提起されていることから、申請者らが開発した新世代粘膜デリバリーワクチンとしてナノ粒子を用いたワクチンを用いて、その安全性についても検証した。
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