研究課題/領域番号 |
23240002
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
定兼 邦彦 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (20323090)
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研究分担者 |
渋谷 哲朗 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (60396893)
浅野 哲夫 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90113133)
福永 ALEX 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (90452002)
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研究期間 (年度) |
2011-05-31 – 2015-03-31
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キーワード | メニーコア / GPGPU / 並列アルゴリズム / 省スペースアルゴリズム |
研究概要 |
GPUのための新しい並列計算モデルを提案した.並列計算モデルとして一般的に使用されるPRAMモデルはGPUアルゴリズムの評価には適していない.我々の提案するAGPUモデルはGPUアーキテクチャの良い抽象化となっており,グローバルメモリへのコアレスアクセスや共有メモリのバンクコンフリクトについても考慮される.AGPUモデルは既存のモデルよりもアルゴリズムの漸近解析に適しており,本モデルを使用することで様々なGPUアーキテクチャ上で効率よく動作するアルゴリズムを開発することができる.本モデルを使用したアルゴリズム解析の例として,リダクション計算を取り上げる.GPUを用いたリダクション計算には,大きく分類してTree-basedとCascadingの2種類のアルゴリズムがある.実際のGPUでの計算では後者は前者よりも高速に動作する.我々はAGPUモデルによるアルゴリズムの解析を行い,本モデルにおいても後者のほうが時間計算量が小さくなっていることを示した.また,本報告では非可換演算を用いたリダクション計算に対する新しいアルゴリズムを提案し,本モデルおよび実際の計算時間が共に小さくなることを示した. また,AGPUモデルで評価される時間計算量と実際の計算時間との関係について検討した.GPUアーキテクチャは,マルチスレッディングを利用して,メモリアクセスのレイテンシを隠ぺいすることで高速化を行っている.マルチスレッディングの効果を上げるためには,GPUアルゴリズムのスレッド数をコア数よりも大きくする必要がある.マルチスレッディングの効率の指標として多重度を定義した.多重度はAGPUモデルによる評価結果から算出することができる.実験を行い,多重度が処理時間に大きな影響を与えることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GPU用のアルゴリズムを解析するための計算モデルの開発が順調にすすんでいる.また,遺伝子配列を解析するための省メモリデータ構造の開発もすすんでいる.
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今後の研究の推進方策 |
開発したGPU用の計算モデルを用い,様々なアルゴリズムの計算量を解析する.また,新しいアルゴリズムの開発を行う.省メモリアルゴリズムの開発も行う.
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