研究課題/領域番号 |
23240016
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
加藤 博一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (70221182)
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研究分担者 |
石井 裕剛 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (00324674)
中村 英一郎 産業医科大学, 医学部, 講師 (10412644)
天野 敏之 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60324472)
藤澤 誠 筑波大学, 図書館情報メディア研究科(系), 助教 (90508409)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / 可視化 / 拡張現実感 / 作業支援 |
研究概要 |
脊椎疾患の診断・手術支援に利用可能な拡張現実感技術に関しては,昨年度開発した輪郭線に基づく手法の高精度化に関して検討を行った.具体的には,CTのボリュームデータからX線透視画像を計算により再構成したDRR画像と実際に撮影されたX線透視画像を比較することで位置合わせを行う方法に関して検討を行い,特に,DRR画像とX線透視画像の類似度評価において,いくつかの手法を比較し,良好な結果を得ることのできる評価手法を発見した.この手法を用いて位置合わせ手法全体を改良した.また,体内組織の変形などを高精度に推定する物理シミュレータの構築に着手し,その初期的なプロトタイプを開発した.さらに,計算速度の向上を図るために,DRR画像の生成アルゴリズムをGPUを用いた手法に改良した. 原子力プラントの保守点検作業などの支援に利用可能な拡張現実感技術に関しては,昨年度から問題となっていた精度に関して,カメラに赤外光投影装置を装着し能動的に環境を照らす手法の検討を行った.また,その手法の有効性を確認するためのシミュレーション実験を実施したところ,以前より精度が向上したことが確認できた.さらに,自走ロボットとレーザレンジファインダを用いて静的な環境でトラッキングに必要な点群形状と自然特徴のデータベースを構築する手法を実現した.また、構築したデータベースを用いて静的な環境でトラッキングするプログラムを実装した. 投影型拡張現実感に関しては,投影面が変形しても投影像にずれの生じない方法に関して検討を行い,その初期プロトタイプシステムを構築した.また,その他,被験者実験などを行い,拡張現実感技術の実応用における有効性の確認を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脊椎疾患の診断・手術支援に利用可能な拡張現実感技術に関しては,実際に診断に利用できる程度の精度が達成できたと考えている.物理シミュレーション技術の開発や処理アルゴリズムの高速化に関しても順調に研究が進んでおり,これを発展させることで最終的な目標を達成できると考える. 原子力プラントの保守点検作業などの支援に利用可能な拡張現実感技術に関しては,能動的に環境を照らす手法によって高精度化の目処が立った.また,プラントの解体に伴い動的に変化するような厳しい環境でも継続して利用できる自然特徴を用いたトラッキング手法を実現するにあたり,最初のステップである静的な環境でのトラッキング手法は予定通り実現できた.また動的な環境で使用できるように拡張するにあたり、環境の変化を認識する手法まで実現できた.
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通りに実施する予定である.脊椎疾患の診断・手術支援に利用可能な拡張現実感技術に関しては,実際の診断場面への適用を試みる.原子力プラントの保守点検作業などの支援に利用可能な拡張現実感技術に関しては,実際のプラントでの評価実験を試みる.
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