研究課題
本プロジェクトは、統計的信号処理と音楽理論の数理モデルを融合して、音楽(および音響・音声)の信号処理と情報処理に対して多面的に取り組むものである。音声認識分野では音響処理と言語処理の融合がキー技術であったように、音楽においては信号処理と音楽理論の融合が必須である。平成25年度は、音楽の構造に着目した研究を重点的に行った。MIDI入力あるいは音響入力から自動採譜を行う技術に関して、テンポや個々のリズム音長の変動に対処するためには、音声認識における言語モデルに相当する音楽構造モデルが必要であるが、そのために2次元の文脈自由文法(CFG)を発案し、入力音楽の構造を構文解析手法により推定する2次元LRパーサを開発し、音楽演奏MIDI信号からの自動採譜を行った。また、演奏者に合わせてオーケストラなどの伴奏が追随する自動伴奏技術では、演奏者の演奏間違い(リズム間違い、別の音、音抜け、余分な音)は勿論のこと、弾き直しや弾き飛ばしなど任意の箇所にジャンプする場合もすばやく追従することが実用上は重要であるが、そのための高速アルゴリズムを開発するとともに、演奏の任意性(トリル、アルペジョ、装飾音)もモデル化して追従できる手法を開発した。ピアノ曲の楽譜を与えるとギター用へ自動編曲する技術に関しては、入力と出力の両方を伴う隠れマルコフモデル(HMM)により自動編曲するアルゴリズムを開発した。音楽信号処理の面では、我々が開発した調波音と打楽器音を分離する技術(HPSS)を2段階通すことで、人の声を分離あるいは強調する技術の研究を進め、IEEE論文化した。自動作曲に関しては、以前より日本語の韻律を利用した最適化問題解法による自動作曲手法を一般公開しているが、二重唱の自動作曲の機能を加えて公開し、使いやすいユーザwebインタフェースを開発したところ、新バージョン公開以来の累積作曲数は18万曲を超え、作品の閲覧回数は300万回を超えた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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