研究課題/領域番号 |
23240031
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山家 浩樹 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60191467)
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研究分担者 |
林 譲 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00164971)
高橋 則英 日本大学, 芸術学部, 教授 (10188039)
久留島 典子 東京大学, 史料編纂所, 教授 (70143534)
鴨川 達夫 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60214566)
山田 太造 東京大学, 史料編纂所, 助教 (70413937)
大内 英範 筑紫女学園大学, 文学部, 准教授 (60462173)
遠藤 基郎 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (40251475)
馬場 基 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (70332195)
高橋 敏子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80151520)
高田 智和 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, 准教授 (90415612)
耒代 誠仁 桜美林大学, 総合科学系, 講師 (00401456)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 日本史 / 図書館情報学 / デジタル画像管理 / 古写真 / ガラス乾板 / くずし字 |
研究実績の概要 |
1.ボーンデジタル画像管理システム研究では、史料調査・写真撮影を実施して「進捗管理システム」の運用を継続し、ボーンデジタル画像管理システムとしての機能や操作性を検証した。本システムの運用に伴う展望と課題については、2013年11月に行われた画像保存セミナーにおいて報告を行った。 2.デジタル画像を主たるレコードとするデータベースの構造転換研究では、「翻刻支援システム」の既存入力データをベースに、書誌目録データと画像ディレクトリごとの細目録の相互連関にむけた検証を進め、目録と画像を結ぶより合理的なメタ体系の確立を試行した。 3.標準的なデータ仕様に適合しないデジタル画像の生成・管理・運用スキームの研究では、(1)特殊形状史料として、引き続き古写真を素材とした研究に注力した。本科研にて開発した「ガラス乾板情報管理ツール」を利用することで、ガラス乾板の調査・撮影を推し進め、研究開始以来1,540点の調書作成とデジタル画像化を実現した。「ガラス乾板情報管理ツール」の改良にも努め、操作性のより一層の向上を図った。またガラス乾板の保存方法につき研究し、保存箱の改良を実践した。台紙付写真の情報化については、約5,000枚につき編纂所既登録分との照合を完了し、デジタル画像をサーバー上に登録するための準備作業を終えた。 (2)研究上生成される二次的デジタル画像では、くずし字画像を対象とし、史料編纂所所蔵史料および正倉院文書を中心に約16,000件の字形を登録した。また既存登録字形20万件余から抽出した代表的字形25,000件については、情報学研究者の協力のもとOCR技術を用いた文字判定の研究を推進している。 (3)業務上生成されるデジタル画像では、複雑化した現状の管理状況の確認を進めつつ、情報集約のための手法として、既存の「ガラス乾板情報管理ツール」などの発展性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ボーンデジタル画像管理システム研究では、本研究で開発した「ボーンデジタル進捗状況管理システム」の検証を継続し、デジタル画像を主たるレコードとするデータベースの構造転換研究では、「翻刻支援システム」を素材にメタ体系の確立を試行した。いずれも着実に成果を挙げ、次の段階へと発展が見込まれる。標準的なデータ仕様に適合しないデジタル画像の生成・管理・運用スキームの研究では、本研究で開発した「ガラス乾板情報管理ツール」の改良を行いつつ、ガラス乾板の調査を順調に進め、並行して乾板保存の検討も進めるなど、古写真研究で期待以上の成果を挙げつつある。またくずし字画像を素材として検討を進めるなど、他の内容でも進展をみている。 当初計画に課題として掲げた諸点に即して着実に研究成果をあげており、当初計画に即して順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
1ボーンデジタル画像管理システム研究では、「デジタル採訪進捗管理システム」の改善点を整理し、改良への準備を行うとともに、成果を公開してデジタル画像管理の問題と方法を共有する。 2デジタル画像を主たるレコードとするデータベースの構造転換研究では、引き続き「翻刻支援システム」を素材に、画像データとメタデータの関連付けの方法論検討を継続する。 3標準的なデータ仕様に適合しないデジタル画像の生成・管理・運用スキームの研究では、ガラス乾板などの古写真研究を主軸に置いて、調査・メタデータ付与などを継続するとともに、その成果をひろく公開する。ガラス乾板研究の基盤整備とともに、多様なデジタル画像を総合的に管理・運用するスキームへの発展を目指す。
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