研究課題
1)食物の匂い情報を摂食モチベーション行動へと変換する神経回路の解析ある匂いと食物報酬(たとえば砂糖)とを連合学習させたマウスやラットに、その匂いを嗅がせると、その匂いへ接近し食物を探索する行動を引き起こす。このような匂い・食物連合学習後に、マウスが接近・探索行動を引き起こす際に、嗅結節内で活性化する部位を調べた。 活性化マーカー分子c-fosの発現をin situ hybridization法でmappingすると、嗅結節の吻内側部が選択的に活性化することが判明した。 さらに、匂いのついた食物へ接近・探索行動をするラットの嗅結節の吻内側部から、テトロードを用いてニューロンのスパイク活動記録を行うと、匂いへの接近・探索行動時にスパイク活動頻度が上昇するニューロン群が見出された。 これらの結果より、嗅結節の吻内側部に「摂食モチベーション・モジュール」が配置されていることが判明した。2)食後の徐波睡眠時の前頭眼窩皮質と嗅皮質の相互作用食後の徐波睡眠時には、前頭眼窩皮質で徐波が出現し、嗅皮質ではlarge irregular amplitude(LIA)ポテンシャルが出現し、両者は同期する傾向をもつ。 嗅皮質ではLIAにともなって多くのsharp wave(鋭波)が出現するが、本年度の解析により、嗅皮質鋭波の出現は、前頭眼窩皮質の徐波がDown-stateからUp-stateへと移行した直後と、Up-stateからDown-stateへと移行する直前におこる傾向があることが判明した。 このことは徐波睡眠中の前頭眼窩皮質と嗅皮質の相互作用は、主として、新皮質のDown-stateからUp-stateへの移行直後とUp-stateからDown-stateへの移行直前に起こることを示唆している。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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