研究課題/領域番号 |
23240062
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
若菜 茂晴 独立行政法人理化学研究所, マウス表現型解析開発チーム, チームリーダー (90192434)
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研究分担者 |
古市 貞一 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50219094)
久保田 健夫 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (70293511)
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研究期間 (年度) |
2011-05-31 – 2014-03-31
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キーワード | DOHaD / マウス / 胎生妊娠期低栄養 / エピジェネティクス / 発達障害モデル |
研究概要 |
妊娠時低栄養飼育と網羅的表現型解析:雌マウスを低栄養状態で飼育し、その仔に関して様々な表現型解析を行った。低栄養状態は、母獣に低タンパク食を与える事により再現した。また、低タンパク食にメチル化基質である葉酸を通常の5倍量を添加したものも実験食として供給した。その結果、母獣の体重に関しては各群に有意な差は見られず、複数の血液のパラメータに低タンパク食群と通常食群との間に差がみられた。一方、新生児の脳において、いくつかの遺伝子の発現量に変化がみられた。離乳産仔の表現型解析としては、ヒト発達障害モデルマウスとしての評価に特化した行動解析を次のように行った:5週齢: Open-field test(1回目)、6週齢: Open-field test (2回目)、6週齢:物体探索試験、7週齢:社会行動、8-9週齢: Home-cage activity、10週齢: Light/Dark-transition test、11週齢: Fear-conditioning test、12週齢: Tail suspension test。その結果、低タンパク食で発達障害様行動 (物体探索、社会探索行動の減少)が見られた。これらに関しては日本実験動物学会と日本神経科学会において報告した。 DNAメチル化の検証:ゲノムDNAのメチル化に関してはこれまでに得られたサンプルを用いて現在解析中である。 発達障害モデルマウスの作出と詳細なキャラクタライゼーション:これまで解析してきたCadps2遺伝子に関しては通常のKOマウスだけでなく、ヒトの自閉症患者で通常より高い頻度で見られるexon3の欠失マウスを開発し、表現型解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度までに開発した胎児期低栄養暴露実験を用いて、産仔の表現型異常が見いだされた。また、新生仔と行動解析を行ったマウスに関して網羅的な遺伝子発現解析を行ったこと、現在同じマウスでDNAのメチル化解析を行っていることから、今後、その表現型異常の遺伝メカニズムの解明も期待される。以上より、DOHaDの分子基盤の解明に向けて、本研究はおおむね順調に進展しているといえる
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今後の研究の推進方策 |
胎児期に低栄養に暴露されたマウスに関して、表現型データとともに、各発達段階(新生仔期・成獣期)における遺伝子発現データとDNAメチル化データが得られる。ただ、DOHaDのメカニズムをより詳細に明らかにするためには、これらの遺伝子が実際にどのような機能を持つのか検証すること、また、その遺伝子に変異が存在する場合、胎児期低栄養負荷がどのような影響を与えるのかを明らかにする必要がある。今後は、上記の遺伝子のKOマウスを入手し、表現型解析を行う。KOマウスの入手先としては、KOマウス作出の国際コンソーシアム(KOMP)を検討しており、主研究者が所属する理研バイオリソースセンターを介した入手が可能となっている。
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