研究課題/領域番号 |
23240082
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
高山 健 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (20163321)
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研究分担者 |
岡村 昌宏 独立行政法人理化学研究所, 実験研究グループ, 研究員 (80332245)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | デジタル加速器 / 炭素線 / 重粒子ガン治療 / 誘導加速 / レーザーアブレーションイオン源 / シンクロトロン |
研究概要 |
研究は大まかにレーザーアブレーションイオン源と次世代炭素線ドライバー(デジタル加速器)の開発研究の二つに分類できる。 レーザーアブレーションイオン源: (1)前年度購入したイオン生成用レーザーの調整試験を行い動作の確認を実施した。(2)レーザー照射チャンバーの製作を続行し、完成させた。特に、照射標的の移動駆構の計算機制御システムを完成させた。(3)真空排気テスト後、レーザーと組み合わせるために、理化学研究所BNL加速器センターに移送し、レーザー照射、イオン取り出し実験を開始した。(4)レーザーアブレーションイオンビームガイド用として提案されていたソレノイドガイド、交番永久磁石ガイドシステムの両方の実験検証をスモールスケールで東工大堀岡研究室、長谷川研究室との連携で実施し、後者の解は無い事を確認した。 炭素線ドライバー: (1)重イオンの加速のためのビームコミッショニングを実施した。(2)最終段階までの加速に試験レベルながら成功した。(3)ビーム寿命の真空度依存性など多くの重要な基礎データが取得てきた。完全電離イオンの入射試験を実施した。加速に必要な調整要素を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自主開発のレーザーアブレーションイオン源の照射ボックスに内蔵させるx-y移動標的駆動機構の制御システムにエレクトロニクス上の不具合があり、3回交換して漸く満足ゆくものになったが、時間を大幅にロスしてしまった。 炭素線ドライバーでの完全電離イオンの加速実証に手間取った。既存電子共鳴サイクロトロンイオン源で生成する完全電離イオン強度が低く、得られるビーム信号を使ったデジタル加速器入射後の加速器パラメーターの調整に手間どった。
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今後の研究の推進方策 |
レーザーアブレーションイオン源: 今年度、レーザー照射実験が終わり次第、日本にレーザーアブレーションイオン源一式を持ち帰り、デジタル加速器システムの最上流部の高圧ターミナルに組み込み、イオンビームガイド、取り出し、入射実験を実施する。 炭素線駆動加速器: 夏のシャットダウン中に(1)真空度を改善する目的でアウトガス要因になる大型真空容器を小型真空容器に一部置き換える。(2)加速ビームの取り出し効率を上げるために、この期間に取り出しキッカー位置を動かし、且つキッカー電源の増強を図る。(3)秋に完全電離イオンの加速実証を試みる。レーザーイオン源の準備を待ち、炭素6+の加速実証を図る。、
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