研究課題
<目的> 身体活動量の多寡に関連する要因のうち、遺伝的要因に関してSNPチップを用いて網羅的に検討することを目的とした。<方法> 本研究の対象者は、NEXISの登録者869名から選出された518名で、彼らのDNAをSNPチップ(Illumina社製)を用いて網羅的に遺伝子多型解析(GWAS)を行った。Genotyping後のQuality Checkにより最終的に506名が本研究の解析対象者とされた。さらにアジア人のSNPデータを基にimputationし、6,034,498SNPについて身体活動との関連が検討された。身体活動は3次元加速度計で評価をした。1.1~1.5メッツ未満の座位行動時間、1.5~3.0メッツ未満の低強度身体活動時間、3.0~6.0メッツ未満の中強度身体活動時間、6.0メッツ以上の高強度身体活動に費やした時間についても算出した(分/日)。<結果> 座位行動時間:0個、低強度身体活動時間:0個、中強度身体活動時間:0個と、関連のあるSNPはなかったが、高強度身体活動時間において、P値が1e-8未満であったSNPが99個と、最も多く認められた。染色体4番の染色体位置155.7Mb~155.8Mbの領域において、p値が1e-8未満を示したSNPは28 SNPsであった。また染色体8番の56.1Mb~56.2Mbの領域においては、1e-8未満であるSNPが23 SNPsが存在していた。<結論> 遂行に強い動機や意志が必要な高強度身体活動は、他の強度の身体活動より遺伝要因の影響を多く受けている可能性が示唆された。
2: おおむね順調に進展している
平成25年度末まではGWAS分析が不十分で進捗が遅れていたが、繰越を活用した研究の遂行により、GWASを用いた遺伝子研究が大幅に進捗し、目標に叶う成果を上げることができた。
本研究成果を論文化し、国際的に成果を公表したい。
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