研究課題/領域番号 |
23240106
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
池田 秀雄 広島大学, 大学院国際協力研究科, 教授 (50112165)
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研究分担者 |
馬場 卓也 広島大学, 大学院国際協力研究科, 教授 (00335720)
清水 欽也 広島大学, 大学院国際協力研究科, 准教授 (70325132)
石原 伸一 広島大学, 大学院国際協力研究科, 特任准教授 (60585644)
持佛 賢一 広島大学, 大学院国際協力研究科, 研究員 (10599682)
松原 憲治 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎教育研究部, 主任研究官 (10549372)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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キーワード | 理科教育 / 算数・数学教育 / 授業分析 / 国際教育協力 / 国際情報交換 / アジア地域 / アフリカ地域 |
研究概要 |
24年度計画に基づき、フィリピン、バングラデシュ、ザンビアを重点的に調査した。フィリピンでは、先行したアメリカの国際協力とそれに続く日本、ドイツの協力形態・方式や、それぞれの効果について歴史的な分析・考察を行った。また、小学校児童(第3・4学年)の理科学力とローカル言語および教授言語との関連に関する調査を実施した。バングラデシュおよびザンビアでは、初等・中等学年の理科・数学の授業の分析および現職教員に対するアンケート調査のデータが集積された。同時に、ザンビアおよびガーナで収集した理科授業ビデオをもとに、教師の発問とそれに対する生徒の反応を分析する方法を開発した。この方法によって、教師の教授能力が判別可能となった。しかしながら、両国ともに教師の発する発問は極めて単純な生徒の知識を確認して正答を求めるものがほとんどで、生徒の思考を促す高度な発問は皆無であった。したがって、具体的改善の指針を示すためには、日本のベテラン教師の高度な発問を分析する必要があることが判明し、これを25年度以降の計画に組み込むこととした。また、カンボジアにおいてはJICAのプロジェクトが24年8月に終了し、対象地域の教員養成校および学校における効果に関する実証的調査を開始した。ウガンダについては、JICAのプロジェクトに関する予備調査を開始した。年度当初には計画していなかったが、インドネシアからの招へい協力者および現地調査が可能であったため対象国として追加した。 さらに、年度末に東南アジア諸国(シンガポール・タイ・インドネシア等)の研究者・実務者を広島大学に招へいしてセミナーを開き、その場で上記のザンビア・ガーナで開発した授業分析方法を紹介して情報の共有を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究組織の一部入れ替わりがあったが、これはJICAとの人事交流によるもので、むしろ大学とJICAとの情報共有で効果的であると考える。このことにより、多くの国に対象を広げるよう依頼されているが、すぐに拡大することは物理的に困難になりつつある。 本研究で開発した授業分析法がアジア地域のほかの国に紹介出来たことは効果が高いと判断する。 この研究に留学生を参加させることによって、母国の問題点が明確に把握されるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究により、日本の教員の分析が必要という新たな視点が得られた。このことを深化するために、日本の付属学校ベテラン教員と連携し、かつ、授業分析に日本人大学院生を参加させることとした。このことによって大学・付属学校連携が強化されると同時に後継者育成が図られる。 研究・事業規模の拡大に伴い、物理的な制約が生じ始めている。運営費交付金や積極的な外部資金の導入により、研究員等の雇用をより一層進める必要がある。また、日本のベテラン教員の一層の参画が必要である。
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