研究課題/領域番号 |
23240109
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前迫 孝憲 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00114893)
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研究分担者 |
吉冨 友恭 東京学芸大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20355829)
森 秀樹 大阪大学, 学内共同利用施設等, 講師 (30527776)
小池 敏英 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50192571)
森川 治 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 研究員 (50358181)
黒田 恭史 佛教大学, 教育学部, 教授 (70309079)
西森 年寿 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (90353416)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 教育工学 / ネットワーク / 遠隔教育 |
研究概要 |
本研究は、来る2020年の達成が検討されている生徒一人一台情報端末導入のための支援環境や教材のデジタル化を支えるモデルとして期待される「学習者連携による協働教育」の展開を図る教育クラウド(協働教育プラットフォーム)の開発を目的に、1)教室や学校間、教室と地域・家庭等をつなぐと共に緊急時にも対応可能な教育情報ネットワークの開発、2)ソーシャルメディア等と融合した特別支援や地域教材・カリキュラム開発環境の構築および運用、3)言語と空間認知操作能力の連携による個別支援学習環境、4)共有映像空間を活用した身体協調型協働学習環境の開発、5)学習時における脳機能計測環境の開発と客観的学習評価法の検討を進めている。 平成25年度は(1)緊急時に対応可能な教育情報ネットワークについて、衛星インターネット通信や自然エネルギー発電・蓄電、無線LANアクセスポイント等との連携について、開発と実験を行った。(2)ソーシャルメディアを活用した電子教材やカリキュラムの開発について、特別支援教材を対象に環境構築を行い作成を進めた。(3)言語や文字等の認知・学習に関する能力分析を進め、教育リスクを回避する予防的学習支援について実践を通し検討を行った。(4)共有映像空間をクラウド支援等で実現するための実験開発を進めた。(5)協調学習時の活動過程を、近赤外分光測定法や視点移動など神経科学の観点から同期計測・分析する方法を検討し、客観的学習評価法の開発を進めたことに加え、 (6)一人一台情報端末による学習環境や教育クラウドによる支援システムについて、動画記録処理や情報共有、多言語環境(Drupal)を中心に実践研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、フューチャースクール事業等が目標とする学習者連携による協働教育を主な対象として、その展開を図る教育クラウド(協働教育プラットフォーム)の開発を目的としている。そして、本研究科の野田村サテライトと吹田キャンパスとを繋ぐ遠隔学習を、国立天文台水沢キャンパスの震災復興データセンターと本研究科のサーバ群を連携させた教育クラウド環境で支援する中で知見を蓄積、研究代表者が委員を務めるフューチャースクール事業報告書の2.4/5GHz帯連携による無線LAN環境の提言や教育機関のための遠隔映像対話環境の開発、SNSを活用した特別支援教材開発実践等に活かすことができたと考えており、「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究ではこれから、(1)緊急時に対応可能な教育情報ネットワークの実証、(2)複数の指標を同時計測する協調学習過程測定システムの開発と客観的学習評価法に関する研究の進展、(3)学習者の多様な能力やモバイル環境を活かし、教育リスクを回避する予防的学習支援教材の開発、(4)防災や自然再生など問題解決に地域連携が望まれる内容について情報通信環境の役割を深化、(5)共有映像空間を活用した学習環境を継続して開発、(6)クラウドにより支援をおこなうタブレットPCを活用した学習環境について関連機器や教材コンテンツ、ソフトウェア管理などの観点から研究開発を続けると共に、研究成果をまとめながら発表していく予定である。
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