研究課題/領域番号 |
23240120
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
柏谷 健二 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (30161029)
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研究分担者 |
長谷部 徳子 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (60272944)
遠藤 徳孝 金沢大学, 自然システム学系, 助教 (60314358)
福士 圭介 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (90444207)
青木 賢人 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (30345649)
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キーワード | 湖沼-流域系 / 気候変動 / 水文環境 / 湖底堆積物 |
研究概要 |
本研究では偏西風や東アジアモンスーンの影響を強く受け、亜寒帯から亜熱帯、乾燥地帯から湿潤地帯まで含む東北アジア地域において、観測時代から歴史時代の自然環境の変動、特に寒冷-温暖、温暖-寒冷等の大きな移行期における変動と人間活動が環境に及ぼす影響(自然災害等を含む)を明らかにし,今世末に予想されている大きな温暖化等を含む今後百年から千年の環境変動と人間活動との調和の手がかりを得ることを目的とする。そのために、観測により現在のプロセスの理解が得られるばかりではなく、これまでの自然変動や人為的な活動に関する情報が堆積物に記録され、プロセスの理解に基づいて観測時代の記録と過去の記録(代替記録)が接続可能となる湖沼-流域系という“測定システム”を利用して観測および“観測の限界”を超えた環境資料の接続・整備・確立を試みる。 平成24年度に進められた繰り越し分の具体的な作業は、1)対象地の調査および試料の採取・分析と資料の入手、2)調査・観測・分析結果の中間検討会の開催であった。対象となる中国東北部の調査では、牡丹江流域での調査およびコア試料や関連資料の入手、そしてウスリ-江流域の興凱湖でのコア試料や関連資料の入手を行った。興凱湖のコア試料に関しては分析および年代測定が進められているが、東北アジア沿海域における更新世末期から現在までの水文環境の変動が明らかになりそうである。分析結果の検討は、日本(函館)と中国(南京)で行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部の調査では、交通事情により多少の遅延が発生したが、調査日程・調査地の再調整等を行い、全般的には、ほぼ予定通り計画は進行している。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね予定された調査および試資料の入手・分析は達成できる見通しであるが、今後の変動に資するための試資料の有効活用に関する方法論(モデルの作成)を検討しながら、調査対象地における試資料には精度や多少にはばらつきがあるので、比較可能な資料としてまとめ、解析の対象とするためには各種結果を系統的な処理が必要がある。
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