本研究課題の目的は、細胞増殖因子HB-EGFの癌における役割と分子機構の解明並びに新たな分子標的治療法の探索を行うことである。平成23年度は子宮頸癌を例に癌-癌間質相互作用におけるHB-EGFの役割解析を中心に研究を進め、子宮頸癌の治療にHB-EGF阻害剤とPDGF阻害剤併用の有効性を示した。平成24-25年度は、癌細胞では増殖促進や悪性化に働くHB-EGFが正常発生過程である心臓弁形成期には増殖抑制作用を示すことを明らかにし、その詳細なメカニズムを解析すると同時に、HB-EGFの増殖促進作用を増殖抑制作用に切り替える新たな癌治療法の可能性を提唱した。
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