研究概要 |
1)CVB3の安全性検証の為のin vivo研究 a)野性型マウスを用いたCVB3用量漸増試験:B6マウスを用いてCVB3用量漸増試験を行った(1×10^4, 10^5, 10^6, 10^7, 10^8 TCID50 (n=5))。その結果、用量依存性に血清AST/ALT 及びアミラーゼ値の増加が認められ、全CVB3投与マウス群においては生存が確認された。b)担癌マウスモデルを用いた肺癌以外の固形腫瘍に対する抗腫瘍効果の検討、及びc)カニクイザルを用いたCVB3用量漸増試験:上記結果及び後述の組織特異的microRNA標的配列搭載CVB3の野生型CVB3に比較した安全性向上を確認できたため、同改変ウイルスを用いて1)-b, c) を実施することに計画変更した。 2)遺伝子改変CVB3の作製 a)組織特異的miRNA標的配列搭載CVB3(CVB3-miR-1&217、CVB3-miR-217)の作製と安全性確認試験:miRNA搭載CVB3投与マウス群において、野生型CVB3投与群で認めた体重減少、血清アミラーゼ値上昇、膵臓組織炎症細胞浸潤、腺管構造破壊が明らかに抑制され、安全性向上を認めた。さらに、抗腫瘍効果は野生型CVB3投与マウス群と同程度であった。b)マウスGM-CSF遺伝子搭載CVB3(CVB3-mGM-CSF)の抗腫瘍免疫誘導確認試験:CVB3-mGM-CSF作製に成功した。さらに、CVB3-mGMCSF作製時(肺癌細胞トランスフェクション時)にmGM-CSF産生をELISA 法により確認した。c)遺伝子改変CVB3療法の癌幹細胞に対する抗腫瘍効果の検討:ヒト癌幹細胞及び上皮間葉移行癌細胞分画(A549細胞)に対して、野生型CVB3は有意な抗腫瘍効果を呈した。
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