研究課題
①遺伝子改変CVB3-GM-CSFの作製:昨年度に引き続き抗腫瘍免疫誘導能向上の為のコクサッキーウイルスB群3型(CVB3)の遺伝子改変を行い、昨年度作製したプロテアーゼ切断法よりもさらに高効率な新たなプロテアーゼ切断法を開発、効率良いGM-CSFの発現を可能とした次世代CVB3-GM-CSFを作製した。次に本CVB3-GM-CSFを用いたin vivo抗腫瘍効果を検討し、CVB3-GM-CSF投与群は野生型CVB3治療群と比較して有意に腫瘍の退縮を認め、エンテロウイルスで初の高効率GM-CSF発現ウイルスの開発に成功したことから、新たな腫瘍溶解ウイルスとして期待できる。②In vivo担癌マウスモデルの作製とin vivo抗腫瘍効果:肺癌以外の癌細胞を用いた担癌マウスモデルの作出に着手し、乳癌細胞及び悪性中皮腫細胞を用いた担癌マウスモデルの樹立に成功した。これらマウスモデルを用いてCVB3-miRTのin vivo抗腫瘍効果を検討し、CVB3-miRT投与群は未投与群と比較して有意に腫瘍の退縮を認めた。③CVB3-miRTを用いた前臨床試験:医薬品医療機器総合機構からの助言を頂き、当初実施予定であった前臨床研究を一時中断し、臨床試験レベルでの試験物(CVB3-miRT)製造法の確立に努めた。即ちGMP準拠の試薬・機材を用いて、大量製造法をガス透過性バッグを使用した無血清浮遊細胞培養法として開発し、従来のウイルス製造方法の約100倍のウイルス回収を可能とした。また閉鎖系での大量精製法を検討し、ゾーナルロータを用いた密度勾配超遠心法にて大量ウイルスを一度に処理できた。本法によりヒューマンエラーを減らすと共に、前臨床研究に使用可能な力価・品質を確保出来た。当該年度に本製造法にて作製した試験物を用いて、今後品質及び安定性試験、サル・マウスを用いた一般毒性試験を実施予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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