研究課題
石川県珠洲市において、O3,CO,反応性窒素酸化物(NOy)とNOyの構成成分である、NOx、無機全硝酸、有機過硝酸エステル類(PANs)および有機硝酸エステル(ANs)の連続観測を行った。珠洲に到達する気塊を後方流跡線解析により飛来経路別に区分し、由来別・月別にPANs・ANs濃度の季節変動を調べた。その結果、中国・韓国由来の気塊のときにPANs、ANs濃度が高い傾向を示す月とそうでない月が存在した。具体的には、冬季~春季に中国・韓国由来の気塊の場合、濃度が高くなる傾向が見られた。このような違いが見られた原因は、PANs・ANs濃度を支配する要因が季節によって異なる、具体的には、中国・韓国由来の濃度が高い月のPANs・ANs濃度は長距離輸送によって支配され、その他の月の濃度は近傍での生成反応によって支配されると考えられる。このような濃度支配の要因が変わることは汚染物質の日内変動からも見ることができる。珠洲で観測された PANs, ANs については、中国・韓国由来の濃度が高い月は、PANs・ANsともに規則的な日内変動を示さなかった。一方、その他の月は、PANs・ANsともに夜間は濃度が低く日中は濃度が高いという規則的な日内変動を示した。(坂東・定永)遠隔地である珠洲市,都市部である大阪市および京都市において連続測定を実施した。それぞれの測定地点においてPAN, PPN, PiBN, PnBN, APAN, MPANを測定することができ,都市部では複数の未同定ピークを検出した。都市部におけるPANsの濃度変動パターンはポテンシャルオゾン濃度とよく一致し,光化学生成が主要な変動要因であることが示唆された。都市部における夜間のPANs濃度は珠洲における濃度レベルよりも有意に高く,夜間の生成機構の存在が示唆された。(板野)
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Atmospheric Environment
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