研究課題/領域番号 |
23241015
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
坂本 竜彦 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (90271709)
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研究分担者 |
小栗 一将 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 技術研究主任 (10359177)
池原 実 高知大学, 自然科学系, 准教授 (90335919)
岡田 誠 茨城大学, 理学部, 准教授 (00250978)
青木 かおり 立正大学, 地球環境科学研究科(研究院), 研究員 (30513163)
高橋 孝三 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30244875)
坂井 三郎 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 技術研究副主任 (90359175)
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キーワード | 急激な温暖化 / 太平洋 / 高緯度 / 温暖化アーカイブ / 古海洋学 |
研究概要 |
本年度は,第一年度に引き続き,ベーリング海で得られた海底掘削堆積物コア試料についての試料分析を行った. 1) すべての基盤となる急激な温暖化の時期の正確な年代設定を行うため,堆積物コアから採取された試料(特にU1341地点,U1343地点)について,底生有孔虫殻の酸素同位体比測定,火山灰層序,光ルミネッセンス年代測定,古地磁気層層序,微化石層序を行い,年代モデルの構築を引き続き行った.ターゲットとなる過去100万年間に発生した11回の氷期・間氷期サイクルについて対象試料を確定し,より正確な年代設定を行うための追加試料処理を実施した.2)対象とする11回の温暖期の堆積物コア試料について,(a)U1341, U1343, U1342, U1340の堆積物コアについて,非破壊蛍光X線スキャン,透過X線画像イメージング,拡散分光反射能イメージング,自然ガンマ線強度,帯磁率などの非破壊コア計測を継続して行った. (b)U1341,U1343地点についての底生有孔虫殻の酸素同位体比測定の測定および浮遊性有孔虫殻の Mg/Ca測定のための前処理などを行った. (c) 生物ポンプ・環境プロクシについて,バイオマーカー分析,生物起源オパール分析,有機炭素量分析などを継続して行った.3)堆積物コアの透過X線画像イメージから,海氷起源粒子(漂流岩屑)を自動的に認識・検知するために開発した画像解析ソフトウェアを使って,画像処理実験,抽出パラメータの検討などを行った. 4) 得られた成果について,論文・学会発表などで公表した(研究発表を参照).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究計画の若干の変更を行ったものの、研究費を繰越して行う予定であった試料の測定についてもほぼ予定どおり結果をとりまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
以下のように推進していきたい. 1)年代測定に関しては,古地磁気層序(岡田),火山灰層序(青木),酸素同位体比層序(坂井・池原),放射年代法(小栗), 微古生物層序(高橋),を先行して行い,装置の移管の終わっていない,光ルミネッセンス年代は,装置移管後に集中して行う事にする.2)当初計画では,過去の古水温の定量的な復元法である有孔虫のMg/Ca比古水温を測定する予定であったが,酸素同位体比測定に絞って測定を実施するようにする.3)堆積物コアの透過X線画像イメージの画像解析ソフトウェアを使い,海氷プロクシによる海氷復元を集中的に行う.4)非破壊蛍光X線スキャン,透過X線画像イメージング,拡散分光反射能イメージング,帯磁率などの非破壊コア計測を継続して行う.5)生物ポンプ・環境プロクシの測定を継続して行う.6)可能な部分から成果の公表を行っていく
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