研究分担者 |
立花 義裕 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10276785)
岡田 誠 茨城大学, 理学部, 准教授 (00250978)
池原 実 高知大学, 自然科学系, 准教授 (90335919)
高橋 孝三 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30244875)
青木 かおり 立正大学, 地球環境科学研究科(研究院), 研究員 (30513163)
江崎 修央 鳥羽商船高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (30311038)
小栗 一将 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限生物圏研究領域, 研究員 (10359177)
坂井 三郎 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限生物圏研究領域, 研究員 (90359175)
|
研究概要 |
太平洋高緯度海洋の役割について、主としてベーリング海における古環境について,以下の成果が得られた.(1) 2009年の国際統合深海掘削計画323次航海で深海掘削によって得られたベーリング海中央部海底堆積物について,U1343地点での有孔虫の酸素同位体比による層序を確立し,本件で対象とした温暖期の年代を明確にする事ができた.(2) U1343地点コア中の計82枚のテフラ層について,火山ガラスの主成分化学組成を分析し,テフラ層序を明らかにした.U1343コアについては,48層のテフラ試料のうち17試料については円磨された鉱物や砂サイズの火山岩片等を含み,火山ガラスの主元素組成が不均質であったことから,季節海氷もしくは氷山によって運ばれた層である可能性が推定された.(2)これら17試料は特に79万年前のブリュヌ・マツヤマ(BM)境界以降に顕著に現れることから,ベリンジア(寒冷期に陸化したベーリング大陸棚)周辺の大陸氷床の崩壊のシグナルをとらえている可能性がある.(3)数cm以上の層厚をもつ6層のテフラ層は,U1343コアの酸素同位対比層序年代から噴出年代を算出すると,それぞれ0.378Ma, 0.518-0.529Ma, 0.822-0.824Ma, 1.008Ma, 1.108Ma, 1.547Maになった.これらのテフラ層はベーリング海に広く分布する重要な指標テフラである可能性が高い.
|