研究課題/領域番号 |
23241030
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
白井 義人 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (50175395)
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研究分担者 |
西田 治男 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (50330238)
安藤 義人 九州工業大学, エコタウン実証研究センター, 准教授 (90446013)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 環境材料 / 反応・分離工学 |
研究概要 |
1.エクストルーダーによるポリ乳酸素材の熱分解とLLラクチドの回収 ポリ-L-乳酸(PLLA)とポリカーボネート(PC)ブレンド体から触媒にTin(II)を使用し、PLLAの優先的解重合によるL,L-ラクチドへの選択的還元を達成した。回収率も温度域に制限があるものの、ほぼ100%だった。しかし、熱分解の動力学解析の結果、PLLAの分解がPCの分解を促進し、その分解の活性化エネルギーを著しく低下することが分かった。 2.ポリ乳酸熱分解反応における阻害因子の阻害機構の解明 電気電子機器のリサイクルを想定し、ポリ乳酸と複合化される可能性のある添加剤として連鎖延長剤CDIと物性改良剤タルクに着目した結果、CDI(1wt%添加)もタルク(~20wt%添加)もPLLAのケミカルリサイクル温度帯(250-300℃)ではPLLAの熱分解反応には有意の影響を及ぼさないことが確認された。 3.過熱水蒸気によるポリ乳酸の分解とその他プラスチックへの影響の解明 PET製卵パックの過熱水蒸気による分解を検討し、PLLAの分解温度域である110~130℃ではPETの分子量低下は確認されなかった。220℃での過熱水蒸気処理により、PETの分解は進行し、湿式粉砕処理により微粉砕されスラリーへと変化することが確認された。ポリブチレンサクシネートは110~130℃の温度範囲で加水分解し、分解速度定数はPLLAの半分以下であることを確認した。 4.回収ラクチドあるいは乳酸からのPTMG創生とそのケミカルリサイクル 昨年度、開発した五員環を経たTMG(テトラメチルグリコリド)の合成法はルートの短縮には成功したが、従来の方法に比べメチル化の際に副反応が主に進行していた。そこで、反応の効率化および反応手法の検討を行った結果、試薬の投入手順を変えることで収率が20%前後から60%前後にまで向上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
目的とした① エクストルーダーによるポリ乳酸素材の熱分解とLLラクチドの回収、②ポリ乳酸熱分解反応における阻害因子の阻害機構の解明 、③ 常圧過熱水蒸気によるポリ乳酸の分解とその他プラスチックへの影響の解明、④バイオマス起源のPTMG生産とそのケミカルリサイクルの何れに対しても、当初の予定に沿った結果を達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
①と②に関しては、H24年度を持ってほぼ完結した。③常圧過熱水蒸気によるポリ乳酸およびその他プラスチックの分解によって得られる低分子材料の微粉体化とその用途開発について検討する。④PTMGの新合成ルートの効率化とメチル化触媒の検討を更に進める。
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