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2012 年度 実績報告書

ナノチューブ近赤外発光を利用した次世代臨床検査システム

研究課題

研究課題/領域番号 23241037
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

湯田坂 雅子  独立行政法人産業技術総合研究所, ナノチューブ応用研究センター, 研究チーム長 (70159226)

研究分担者 池原 譲  独立行政法人産業技術総合研究所, 糖鎖医工学研究センター, 研究チーム長 (10311440)
岡崎 俊也  独立行政法人産業技術総合研究所, ナノチューブ応用研究センター, 研究チーム長 (90314054)
小倉 睦郎  独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテシステム研究部門, 主任研究員 (90356717)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード臨床検査 / カーボンナノチューブ / 近赤外発光
研究概要

本研究では、血球などに対して透過性が高い近赤外光を使い、臨床検査の高度化をめざしている。その実現のために、近赤外発光特性が最適な単層カーボンナノチューブ(CNT)を用い、それに抗体を付加した新規プローブの作製、ELISAによる疾病バイオマーカーの検出法最適化、さらに、近赤外発光計測に最適な計測機器の開発を行っている。
研究開始当初、CNTへの抗体付加に際し従来法を適用したところ、CNTの構造・特性が従来化合物と大きく異なることが原因で、さまざまな問題が生じた。従来法を改良して、CNT-リン脂質ポリエチレングリコール(PLPEG)-IgGを作製した。CNTをPLPEG-NHS(PEG末端にNHS基がついたもの)を用いてリン酸バッファー液中で超音波破砕器にかけて分散し、さらに遠心分離にて沈殿物を除去した。得られたCNT-PLPEG-NHSにIgGを反応させ、CNT-PLPEG-IgGを作製した。これをプロテインG付き磁気ビーズで捕集し、洗浄後にCNT-PLPEG-IgGを100℃で加熱し、CNT-PLPEG-IgGを溶出させた。溶出液中のCNTの近赤外発光スペクトルを測定し、免疫沈降実験が成功したことを確認した。スペクトル強度から、CNTの近赤外発光ラベルをもちいると、少なくとも600pMの抗原検出感度が得られることが判明した。その成果まとめて、論文投稿した。
他方、CNTの近赤外光を測定するための小型測定装置をLEDとフォトダイオードを用いて作製し、CNTの近赤外光検出感度としては十分であることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

カーボンナノチューブ(CNT)の近赤外発光を用いた臨床検査システム構築においては、CNTに抗体を付加する方法が想定以上に困難な課題であることが次第にはっきりしてきたが、本年度は昨年度に引き続き、CNTへの抗体付加作製法の探索をすすめ、CNT-PLPEG-IgGが確実にできる方法を確立することができた。免疫試験に必要なモノクロナール抗体の精製は、遅れているが、次年度も継続して行う。

今後の研究の推進方策

2年間の研究を通して、CNTへの抗体付加における様々な問題が判明し、各問題に対して対策をたて解決した結果、従来法に改善を加えた新たな作製法を確立させた。その作製法では、安定してCNT-抗体が作製できるものの、経時的に安定でなく保存しにくい、あるいは、CNT-抗体の反応収率が低いなどといった問題が残った。次年度の研究では、こうした問題を解決するために新たなCNT-抗体作製法を確立させる予定である。
得られたCNT-抗体を用いて抗原検出を行うためにモノクロナール抗体の作製を進める。また、市販のインフルエンザなどの抗原、キャプチャー抗体を用いてCNT-抗体を使った免疫試験の検出感度を確定する。検出感度を上げるために、ブロッキング剤の検討などを進める。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 抗体のためのカーボンナノチューブ近赤外蛍光ラベル

    • 著者名/発表者名
      飯泉陽子、岡崎俊也、池原譲、小倉睦郎、湯田坂雅子
    • 学会等名
      第12回産総研-産技連LS-BT 合同研究発表会
    • 発表場所
      産業技術総合研究所(つくば)
  • [学会発表] Controlled Functionalization of Carbon Nanotubes with Antibody

    • 著者名/発表者名
      飯泉陽子、岡崎俊也、池原譲、小倉睦郎、湯田坂雅子
    • 学会等名
      第43回 フラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウム
    • 発表場所
      東北大学百周年記念会館 川内萩ホール
  • [学会発表] がんを標的疾患とするバイオイメージング技術の研究開発

    • 著者名/発表者名
      池原譲、鳥村 政基、愛澤 秀信、佐藤 浩昭、榊田 創、金 載浩、井上 朋、湯田坂 雅子、岡崎 俊也、小倉 睦郎也、都 英次郎
    • 学会等名
      平成24年度 第12回 産総研・産技連 LS-BT合同研究発表会
    • 発表場所
      産業技術総合研究所(つくば)
  • [学会発表] カーボンナノチューブと抗体の反応制御

    • 著者名/発表者名
      飯泉陽子、岡崎俊也、池原譲、小倉睦郎、湯田坂雅子
    • 学会等名
      第26回ダイヤモンドシンポジウム
    • 発表場所
      青山大学 青山キャンパス
  • [学会発表] Functionalization of Carbon Nanotubes with Antibody for Immunoassay

    • 著者名/発表者名
      飯泉陽子、岡崎俊也、池原譲、小倉睦郎、湯田坂雅子
    • 学会等名
      The 44th Fullerenes-Nanotubes-Graphene General Symposium
    • 発表場所
      東京大学

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公開日: 2015-05-28  

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