ナノ空間における生体分子の挙動を解明することで、その特長的な機能を利用したナノバイオ材料への応用を試みた。規則的なナノチャネルを持つアルミニウム陽極酸化(AAO)膜に炭素被覆することで作製したカーボンナノ試験管(CNTTs)は、そのナノ空間内に核酸を高濃度に濃縮し、かつ再放出できるナノカプセルになることが示された。アルツハイマー病の原因物質となるアミロイドβはCNTTsの添加によって線維化が抑制されることが確認された。炭素被覆したAAO膜のナノ空間内に酸化還元酵素を固定化することで酵素電極が作製され、糖と酸素と反応する電極を組み合わせることでバイオ燃料電池として動作することが示された。
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