研究課題/領域番号 |
23241045
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中山 喜萬 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20128771)
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研究分担者 |
平原 佳織 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40422795)
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キーワード | ナノチューブ・フラーレン / 層間滑り / エネルギー損失 / リニア振動子 / ナノマシーン |
研究概要 |
ダンベル状CNTとそれに内包するCNTカプセルの製作条件を明らかにし、熱励起によるCNTカプセルの輸送現象を確認することを目指した。 1.ダンベル状CNTの製作プロセス条件の探索:透過電子顕微鏡内で、多層CNTの内層を抜き取ることにより必要な直径のCNTを得、この両端を電極に固定、通電下にて延伸し、ダンベル状CNTを製作するプロセスを検討した。なお、結晶性の高いCNTを得るためアーク放電CNTを使用した。 2.ダンベル状CNTに内包するCNTカプセルの製作条件の探求:ダンベル状CNTを試す前に通常のCNTを用い、その一端を開端し、そこにC_<60>分子を電子ビーム・マニピュレーションにより挿入することを試みた。このC_<60>分子は熱融合によりCNTカプセルとなるものである。5,6個のC_<60>分子を開端したCNTに入れることができた。今後、このC_<60>分子を中の方まで輸送する方法や別の挿入方法も検討する。 3.ダンベル状CNTに内包したCNTカプセルの熱励起リニア振動の確認:1で述べた方法で取り出した2層CNTをダンベル状に加工する条件を調整すると、ある確率で内層がカプセル状に構造変化することを見いだした。まさに、CNTカプセルを内包したダンベル状CNTであるが、これまではカプセルの熱励起リニア振動を確認できなかった。改良すべき点があると思われる。 4.リニア振動のカイラリティ依存性を調べるためのCNTカプセルのカイラリティ制御:C_<60>分子の他C_<70>分子を前駆体とし、外層CNTの直径およびプロセス条件をパラメータとして調査した結果、限られた直径の外層CNTにおいて、C_<70>分子から(6,5)半導体CNTカプセルが得られることが明らかになった。 4.リニア振動のカイラリティ依存性を調べるためのCNTカプセルのカイラリティ制御:C60分子の他C70分子を前駆体とし、外層CNTの直径およびプロセス条件をパラメータとして調査した結果、限られた直径の外層CNTにおいて、C70分子から(6,5)半導体CNTカプセルが得られることが明らかになった。 5.高周波対応透過電子顕微鏡マニピュレータの開発:インピーダンスアナライザーを導入し、マニピュレータの電子回路について検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は高度な透過電子顕微鏡のマニピュレータ技術を要するため、実験技術の熟達が重要な課題であるため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度より、博士研究員を雇用し、高いレベルの透過電子顕微鏡マニピュレータ技術の維持を図り、当初目標を達成する予定である。
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