研究課題/領域番号 |
23241048
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 謙治 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (80159871)
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研究分担者 |
青木 洋貴 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (00322090)
顧 秀珠 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (20632615)
秋葉 隆 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70184108)
鈴木 聡 東京女子医科大学, 医学部, 臨床工学技士主任 (20586028)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | オペレーションズ・マネジメント / パフォーマンス指標 / 医療ステークホルダー / 患者満足 / 従事者満足 / 国際ベンチマーキング / 透析医療 / 医療安全 |
研究概要 |
医療オペレーションズ・マネジメントの技術基盤の構築に対して本年度は以下の4点に対して主要な研究成果が得られた。①医療OMに対するフレームワークの策定:医療者へのインタビュー調査、文献調査等による医療OMに関する体系的整理内容を基に、日本型医療OMシステムのフレームワークを策定した。このフレームワークによりエビデンスに基づく管理を可能とするパフォーマンス指標を設定し、全体で236の一般病院、264の透析施設の管理者、さらに931名の一般病院、および2,156名の透析施設の医療スタッフにアンケート調査を実施し、医療OMに関連して施設内で保有しているデータ、データの適用対象、および指標の必要性について明らかにした。②医療OMシステムの構築:上記①のフレームワークに従って、医療組織の安全、およびオペレーション状況を分析・診断・管理するための医療OMのアプローチを策定し、これに基づいた医療OMのサポートを目的に医療OMシステムのプロトタイプを開発した。今年度は特に、OM指標に必要なデータの獲得機能を中心に、またOM指標として重要な患者満足・従事者満足の項目の調査を簡易に行うためのタブレットによるシステムをコンピュータ上に実装した。③日本医療のオペレーションズ成績の全国調査:医療OMシステムに含まれるOM指標に対して、日本の医療組織の成績(能力)とその特徴を明らかにするための実績調査の準備を行った。これに従い、来年度早々に調査を実施し、分析を行う。④医療OMの国際ベンチマーキング法の検討:日本の医療OMを世界レベルのベスト・プラクティスと比較するための国際ベンチマーキングの方法を海外の研究挙力者とともに検討し、そのフレームワークを開発した。これに従って次年度に、社会制度・医療制度の先端モデルとして有名な北欧モデルの例としてデンマークの病院とのベンチマークを実施することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、上述した③の調査は今年度内に実施している予定であったが、この部分は若干遅れている。しかしながら、すぐに実施が可能なように準備は終了しており、約年度すぐ実施に移る予定でいる。また、翌年度に計画していたOMシステムにおける患者満足度・従事者満足度調査項目対して、回答者(患者、従事者)の利便性を考えたタブレットによるユーザビリティの高いシステムの開発が前倒しで行われており、研究全体の目的に対しては順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、準備が完了した「療のオペレーションズ成績の全国調査」を早急に実施することが第一の推進課題である。それとともに、当初の計画に従って、システム設計・開発を推進していく。交付申請書にも記述した「医療安全OM委員会」も当初の施設数より増えており、今後とも予定通りに進展していくと判断している。
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