研究課題/領域番号 |
23241048
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
伊藤 謙治 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (80159871)
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研究分担者 |
青木 洋貴 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (00322090)
顧 秀珠 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (20632615)
秋葉 隆 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70184108)
鈴木 聡 東京女子医科大学, 医学部, 臨床工学技士主任 (20586028)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | オペレーションズ・マネジメント / パフォーマンス指標 / 医療ステークホルダー / 患者満足 / 従事者満足 / ベンチマーキング / 透析医療 / 安全文化 |
研究概要 |
医療オペレーションズ・マネジメント(以下、医療OMと略す)の技術基盤に対して、本年度は特に以下の5点に主要な成果が得られた。 ①医療OMにおける患者・従事者満足度調査:患者満足度調査については一般病院3施設から約1000人の患者、そして透析患者からは22施設から合計約800人の回答を得た。この調査により患者満足度に対する要因を抽出するとともに、我が国の外来・入院、そして透析患者の満足度の現状、さらに満足度要因と入院・通院施設に対する全体的満足度、生活の質との関係を明らかにした。従事者満足度調査では一般病院3施設から合計約500人、透析従事者に対しては42施設から合計約800名の回答をもとに、従事者満足の要因を抽出するとともに、一般病院の医療従事者と透析従事者の満足構造の独自性・共通性を明らかにした。これらの調査結果を総合して、医療OMシステムに組み込む少数の有効な調査項目を選定した。 ②透析施設の安全文化の解明と医療OMシステムへの組み込み:透析施設422施設から合計約6500の回答を収集し、これにより透析施設・部門の安全文化を解明した。この結果をもとに医療OMシステムに組み込む少数の安全文化調査の項目を選択し、次年度の実装の準備を行った。 ③医療OMシステムの発展:前年度までに構築している医療OMシステムに対して、分析・評価機能、改善案策定方法に対する基本設計を行った。 ④日本医療のOMの実力の解明:医療OMシステムに含まれるOM指標の実績データを、一般病院10施設、透析施設・部門25施設から収集し、日本の医療組織、そして透析部門の成績(能力)とその特徴を明らかにした。 ⑤医療OMの国際ベンチマーキング:日本の医療OMを世界レベルのベスト・プラクティスと比較するための国際ベンチマーキングの方法を設定した。さらに、デンマークの共同研究者と次年度の実施に向けた検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、上述した⑤の国際ベンチマーキングは今年度内に実施している予定であったが、この部分は若干遅れている。しかしながら、海外協力者との研究打ち合わせにより、これをすぐに実施が可能なように準備は終了しており、来年度実施に移る予定でいる。また、翌年度に計画していた安全文化調査を大規模に実施することができ、研究全体の目的に対しては順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、準備が完了した国際ベンチマーキングを早急に実施することが第一の推進課題である。それとともに、当初の計画に従って、システム開発の最終段階へと推進していく。さらに、来年度は本研究プロジェクトの最終年ということで、研究成果をまとめるとともに、これを「医療安全OM委員会」でも評価・検討を行い、研究成果の社会への還元とともに、今後のさらなる発展へとつなげる予定である。
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