研究課題/領域番号 |
23241050
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅田 昭 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60323648)
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研究分担者 |
前田 文孝 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (80559930)
秋元 和寛 熊本大学, 沿岸域環境科学教育研究センター, 准教授 (70222536)
五十嵐 匡 土木研究所, 寒地土木研究所, 研究員 (00533415)
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キーワード | コンクリート構造物 / 空洞化 / 音響診断 / コンクリート打設 / 音響パラメトリック |
研究概要 |
水中構造物、陸上の既存のコンクリート構造物内部の空洞化や劣化状況を診断するため音響スキャンし断面映像を得る、また、施工工事作業現場においてコンクリート打設状況をモニタリングする、実用レベルの技術開発する研究を行う事を目的とする。 (1)コンクリート打設上面の3次元形状、特に鉄筋籠と内壁間を精密に可視化モニタリングする音響モニタリング試験システムを構築し、実施した計測データを解析し、実用的な計測システム設計を行った。 (2)パラメトリックソーナーINNOMAR SES2000を使ったコンクリート岸壁側面、エプロン上面の計測試験を行った。 ・ビームパターンをシミュレーションし、実観測情報との比較を行った ・2次周波数5kHz~15kHzのコンクリート構造物の透過特性を計測、距離を変えて計測し、解析評価を実施した ・試作プローブを用いてサンプルコンクリート板を水中に吊り下げ内部透過、裏面透過波を実測した (3)INNOMAR SES2000を使った水槽による2次波生成前後位置での拡散現象の計測 ・プールを使用し、ソーナーと平板の距離をずらしながら一次波を照射し、ハイドロホンを平板の照射部分に配置し、また、平板の裏側に離して置き、2次波のフォーカス状況を計測した。これらの情報を基にしてコンクリート内部のターゲット付近にフォーカスさせる手法を設計し、試作した。また、多数の信号波形を使い、平板の表側において反射して戻ってくる2次波の拡散波の効率、波形の特徴を計測した。 (4)最適な音響パラメトリックフォーカスプローブの設計製造 ・上記の試験結果を基にして、コンクリート構造物内部を診断する最適な音響パラメトリックフォーカスプローブの設計製造を行い、鋭いビームを焦点距離1.0mから2.8mにスライドフォーカスさせる、映像診断システムの設計、仮システムの構築、実計測を行った。 (5)港湾岸壁の計測試験、計測システムの設計、解析法の研究 ・音響パラメトリックフォーカスプローブを使って、計測システムの設計を実施し、空洞化した実際の岸壁、矢板岸壁の計測を行った。これらの計測データを解析しパアワーアンプ、フォーカス距離を制御するシステムの設計、製造を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)コンクリート打設上面の3次元可視化モニタリング実験データの解析及び評価を実施(おおむね計画通り) (2)INNOMAR SES2000を使った岸壁側面、エプロン上面計測試験を行い拡散現象の計測、解析を実施(おおむね計画通り) (3)水槽を使い、試作品による2次波生成前後位置での拡散現象の計測(おおむね計画通り) (4)最適な音響パラメトリックフォーカスプローブの設計と試作品を使い動作試験を実施(おおむね計画通り) (5)港湾岸壁の計測試験、計測システムの設計、開発、解析法の研究を実施(計画以上に進展) 今年度計画の5項目の目的を達成した。
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今後の研究の推進方策 |
事前調査試験結果に基づいて、コンクリート内部構造を診断するプローブ設計と試作、計測システムの設計製造を行い、これらを用いて水槽内でコンクリート板を透過して構造を探査するための2次波が良好に発生できた事を確認した。これに伴い、平成25年度は実用送受波器を設計製造し、コンクリート内部構造を診断する手法開発が良好に行くものと期待される。
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