研究課題
昨年度開発したマッピング形状解析を計算するソフトウェアSHARAKUにグラフ理論的な手法を組合せることにより,機能性RNAをプロセシングパターンで分類するための世界で初めての手法を開発した.本手法の精度は,ベンチマークテストの結果,PPV=0.74,Sensitivity=0.62, Specificity=0.96という予測精度を達成した.とくに,Specificity(特異度)が0.96という非常に高精度を達成したことは特筆すべきことである.さらにマウス(正常皮膚,良性腫瘍,悪性腫瘍,転移性腫瘍)のRNA-seqにより得られたリードデータを用いて,各ステージのsnoRNAとtRNAに対して本手法を適用した.その結果,SNORD14が良性腫瘍と悪性腫瘍でのみ3’側からプロセシングを受け,また発がん過程の進行に伴いtRNA(Pro)のプロセシングが変化することを示唆した.配列情報のみを入力とした,汎用性の高い,タンパク質とRNAの結合残基と塩基の予測(コンタクト予測)を計算する手法の開発を行った.結合部位前後における配列情報,予測二次構造およびアミノ酸の性質を考慮し,既知のRNAタンパク質相互作用データから機械学習によりRNAタンパク質の残基・塩基間コンタクトを予測する手法を開発し,ベンチマークテストの結果,PPV=0.57,SEN=0.57という予測精度を達成した.後期良性腫瘍において高発現を示した発現差異遺伝子の一つであるCdkn2aはマウスを用いた発がん抵抗性遺伝子座の連鎖解析の結果,後期良性腫瘍に対する強い発がん抵抗性を示したStmm3遺伝子座にマッピングされることがわかった.また,Cdkn2aには近交系マウス間でアミノ酸配列の変化を示すSNPが存在することがわかり,Stmm3遺伝子座の責任遺伝子である強い可能性が示唆された.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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