研究課題
サクラソウでは、園芸品種の系統関係を解析するために連鎖群ごとに2-3個のDNAマーカーを用いて園芸品種と野生種300個体のstructure解析及び系統解析を行った。その結果、品種は野生型に近い群(W)とそれ以外(C)の2群に分かれた。C群はW群に比べ多様な花弁形態変異を示し、大型の花弁を付ける品種が多く、品種育成の方向性の検討の鍵になるような知見が得られた。花型変異のひとつとして八重咲きサクラソウを一重咲きと比較したところ、5つある雄蕊が弁化していた。また、花器官形成に関わるCクラス遺伝子は、一部の例外を除き八重および一重咲きの雌蕊と花筒で共通して発現していることが明らかになった。サクラソウの園芸品種の南京小桜の花組織(蕾から開花後)のトランスクリプトームの解析を行った。ツツジでは、石川県能登地方の江戸キリシマに関するこれまでの調査・研究成果を「のとキリシマツツジガイドブック」として取り纏めた。貴重な地域遺伝資源の啓蒙普及、保護育成ならびに地域活性化のための資料としての活用が期待される。また、花器変異形質に関連するMADS-box遺伝子を解析し、二重咲き形質は、Bクラス遺伝子;PIにおける挿入変異によることを明らかにした。ミカワヤマツツジを対象にSSR解析をした結果、本種はヤマツツジ変異種であることが示唆された。また、本年度までに得られた全SSRデータを解析した結果、ツツジ属の種と園芸品種の成立過程には、野生種の変異として成立したもの、種間交雑で成立したもの、栽培種が関与して成立したもの、といくつかのパターンがあることが明らかになった。ハナショウブでは、野生のノハナショウブについて、東北地域において収集を強化した。また、東日本大震災で津波の被害にあったにも関わらず生育・開花した株の耐塩性のメカニズムなどの機能性についての知見を得た。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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