研究課題/領域番号 |
23241080
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原 正一郎 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (50218616)
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研究分担者 |
柴山 守 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (10162645)
門司 和彦 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (80166321)
松田 正己 東京家政学院大学, 現代生活学部・健康栄養学科, 教授 (90295551)
太田 勝正 名古屋大学, 医学部, 教授 (60194156)
関野 樹 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, 准教授 (70353448)
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キーワード | 地域研究 / 地域情報学 / 地域の知 / 時空間情報処理 / 健康 / 東北タイ |
研究概要 |
初年度は準備期間として、(1)フィールド現状調査およびデータ項目定義(健康班)、(2)それらの組織化・分析する手法の開発(分析班)、(3)それら支援する情報基盤の設計・構築(システム班)を開始した。 健康班:コンケン大学看護学部と協同で、HealthyTambonProject(以下、HTP)による現地調査の実施状況およびデータ記述法についての研究を進めた。 (1)データ項目定義:既に現地調査で利用している基本質問票を基礎として、Tambon Community Health Data Base System(以下、TCHDBS)で収集べきデータ項目と記述法に関する検討を開始した。 (2)教育支援:データ収集法、データ作成法、GISデータの利用法等について、現地の看護師および情報スタッフを対象とした講習を行った。 (3)資料収集:本研究の推進に必要な地図資料等の収集を開始した。 分析班:地域住民の健康状態を可視化・分析する手法について研究を開始した。 (1)計量分析手法:基本質問票データを地図等の既存データと連携させるため、基本質問票データに緯度・経度情報の追加する方法を検討した。その結果、GPS機能付きカメラで対象家屋を撮影し、その画像データに書き込まれている緯度・経度情報を利用することとした。画像データから緯度・経度情報を抽出し、家屋番号をキーとして基本質問票データと結合するプログラムを試作し、その利用可能性を検証した。 (2)可視化および分析:基本質問票および地図データの一部をサンプルとして時空間情報処理ツールに適用し、データの可視化・評価および分析に関する予備実験を開始した。 システム班:本研究の情報基盤となるシステムの研究、設計、構築を開始した。 (1)TCHDBSの設計:HTPにおいてデータ登録・編集・保存・検索等を行うTCHDBSのデータ構造について検討した。 その際にデータベース化、データ統合、データ検索処理の利便性を考慮した。 (2)時空間情報処理ツール:これまで開発を継続している時空間情報処理ツール(HuMapおよびHuTime)を利用して、基本質問票データの変換法と分析法についての検討を開始した。また検討の過程で必要と判断された時空間分析機能の設計と一部の実装を行った。 これらの成果は本研究ホームページから順次公開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・日本およびタイ側の研究チームの相互訪問等を通じて、良好な研究協力関係を築きつつある。 ・現地収集データへの時空間属性付与や時空間情報処理ツールへの適用等はスケジュールどおりに進展している。 ・システムに関する研究・開発については当初計画を上回るペースで進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
・現地データの一部(国境地帯の地図および村落に関する一般統計等)の収集に遅れが生じている。これは諸般の事由により、本研究の開始が年末にずれ込んだためであり、24年度中に解決を図る予定である。 ・それ以外については、当初計画にしたがって研究を推進する。
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