研究課題/領域番号 |
23241080
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原 正一郎 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (50218616)
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研究分担者 |
柴山 守 京都大学, 地域研究統合情報センター, 研究員 (10162645)
門司 和彦 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (80166321)
松田 正己 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (90295551)
太田 勝正 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60194156)
桶谷 猪久夫 大阪国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90169269)
関野 樹 総合地球環境学研究所, 研究高度化支援センター, 准教授 (70353448)
五島 敏芳 京都大学, 総合博物館, 講師 (90332139)
星川 圭介 京都大学, 地域研究統合情報センター, 助教 (20414039)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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キーワード | 地域研究 / 地域情報学 / 地域の知 / 時空間情報処理 / 健康 / 東北タイ |
研究概要 |
平成23年度に引き続き、コンケン大学看護学部との共同研究により、①フィールド調査およびデータベース開発支援(健康班)、②収集データの組織化と分析に関する手法開発(分析班)、③情報蓄積と利活用を支援する情報基盤の設計・構築(システム班)を継続した。 健康班:データベース構築について以下の研究を進めた。①教育支援:データベース構築法、GISデータ作成法、ソーシャルネットワークデータ作成法等について、現地の看護師・行政担当者・情報スタッフを対象に講習会を実施した。②データ項目の見直し等を進めた。 分析班:地域住民の健康状態を可視化・分析する手法について以下の研究を継続した。① 社会モデルおよびデータベース構築:地域社会の構造を分析する手段として、地域住民の社会属性をノードその属性に関する住民間の関連をアークとするソーシャルネットワークモデルを構築し、データベースをTopic Mapsを利用して実装した。②可視化および分析:ソーシャルネットワークを構成する社会属性ごとのアーク数を村落ごとに計数し、村落の位置情報と組み合わせて地図上で可視化した。これを用いて、地域社会の構造を地理特性に基づいて分析する予備実験を開始した。 システム班:本研究の基盤となる情報システムについて以下の研究を継続した。①時空間情報処理ツール:開発を継続している時空間情報処理ツール(HuMapおよびHuTime)を適用するために、基本質問票データの変換法を検討した。英文マニュアルを作成し、海外利用者の便を図った。②データ収集ツール:GPSおよびカメラ機能付タブレット端末を利用したデータエントリーツールを試作した。これにより、住民の健康データ・家屋等の環境写真・時空間情報の入力とデータベース登録を現地で実施することをめざした。ヘルスボランティアの協力を得て、試作ツールの操作性等に関する予備的調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・日本およびタイの研究チームの相互訪問や積極的な討論・講習会等による研究交流を通じて、良好な研究協力関係を構築している。 ・現地収集データの蓄積・時空間属性付与・時空間情報処理ツールの利用・データ分析についてはスケジュール通りに進んでいる。研究の推進に必要な情報学的技術・手法等の伝達も順調に進んでいる。 ・特にシステム構築において、GPSおよびカメラ機能付タブレット端末を利用したデータエントリーツールの構築と、現地における試行実験は大きな成果である。 ・地域社会における「知の蓄積と伝承・伝達」を人間関係の視点から分析するために、ソーシャルネットワークの導入を試みた。そのためのモデル構築と、データ作成・可視化・定量化・GIS連携に関する手法研究とプロトタイプの構築を試みた。定性的な地域情報を計量化するという地域情報学の具体的成果として注目される。 ・地域情報学を支援する地図データベースや地名辞書等の知識基盤およびデータベース共有等の基盤情報システムの開発は計画通りに推進している。 ・ただしタイの現場において、データベースが使いにくいという問題が発生しており、その解決が遅れている。これはデータ入力で利用する帳票類と、データベースシステムのスキーマ、およびデータ利用者のデータビューの初期設計に曖昧さがあったためである。現在、スキーマやビューの見直しと調整を進めており、25年度前半には解決を図る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
・研究はおおむね順調に進展しており、今後も当初計画通りに研究を推進する。 ・データベースが使いにくいという問題の解決が遅れている。これはデータ入力で利用する帳票類と、データベースシステムのスキーマ、およびデータ利用者のデータビューの初期設計に曖昧さがあったためである。現在、各スキーマの見直しと調整を進めており、25年度前半には解決を図る予定である。 ・国境地域の現地地図の収集に遅れが生じていたが、これは解決されつつある。
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