研究課題/領域番号 |
23242010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
有賀 祥隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 名誉教授 (20133613)
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研究分担者 |
山本 勉 清泉女子大学, 文学部, 教授 (00150037)
岩佐 光晴 成城大学, 文芸学部, 教授 (10151713)
武笠 朗 実践女子大学, 文学部, 教授 (30219844)
泉 武夫 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40168274)
長岡 龍作 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70189108)
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キーワード | 仏像 / 生身仏 / 霊験仏 / 阿弥陀 / 快慶 / 清涼寺式釈迦 / 定慶 / 常楽寺 |
研究概要 |
年度当初の計画通り、1.彫像調査、2。伝承ならびに環境の調査、3、資料整理・蓄積及び次年度調査の準備、の項目ごとに調査研究をおこなった。 1.では、8カ所、16件、21〓の彫像調査をおこなった。主な調査地は、金沢文庫(横浜市)、高蔵寺、定迎寺(以上、宮城県角田市)、大光院(宮城県柴田町)、保昌寺(宮城県蔵王町)、常楽寺(鎌倉市大船)、仙台市博物館、蓮光寺(京都市)である。特に仙台市博物館では、開催中の「仏のすがた、人のかたち」展に協力し、仙台市所在の仏像を集中して調査し成果をあげた。また、常楽寺では、阿弥陀三尊像を調査し、台座内に新たに仁治三年(1242)年6月12目の墨書銘を見いだし、定慶作の可能性を導く重要な発見となった。さらに、蓮光寺では快慶作との伝承のある阿弥陀如来立像を調査し、有益な知見を得た。 2.では、仙台市所在の笈分観音と一具との伝承のある蓮光寺阿弥陀如来像の調査と同時に、蓮光寺所在の縁起を調査することによって成果があがった。環境調査としては、龍寳寺(仙台市)釈迦如来像の原所在地(金成町)、ならびに保昌寺阿弥陀如来像の原所在地を調査し成果を上げた。 3.では、(1)調査データをテキスト化してコンピュータへと入力した。(2)撮影した4×5判フィルム188カットを、高精細スキャナーを用いる業者に発注して、デジタルデータ化した。(3)テキストデータ、画像データを統合したデータベースの作成準備にかかった。(4)本研究のテーマに関わる調査物件をリスト化するために、日本全国対象に、地方出版になる文化財目録の収集につとめ、計108冊の該当図書を購入した。以後、これをもとに、順次リストを作成する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のとおり、一年の調査物件としては十分な数の調査をおこない、少なくない成果が上がっているため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に収集した全国の地方出版による文化財目録を参照し、本研究のテーマに沿う調査物件を新たに見いだし、今年度と同様のペースで調査をおこなう。調査によるデータは、テキストならびに画像をデジタルデータ化し、コンピュータ上で利用可能なデータベース作成の基礎とする。
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