研究課題/領域番号 |
23242020
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
酒井 弘 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50274030)
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研究分担者 |
馬塚 れい子 独立行政法人理化学研究所, 言語発達研究チーム, チームリーダー (00392126)
今泉 敏 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (80122018)
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (70227263)
森田 愛子 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20403909)
五十嵐 陽介 広島大学, 文学研究科, 准教授 (00549008)
宇都木 昭 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 助教 (60548999)
金 英周 広島大学, 教育学研究科(研究院), 特任助教 (30612973)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 言語学 / 実験系心理学 / 脳・神経 / 認知科学 / 国際研究者交流 / 中国 / 韓国 |
研究概要 |
平成24年度は,平成23年度に実施した研究の成果を複数の学会において発表することができた.韓国ソウル国立大学において実施した国際共同研究の成果を日本言語学会において発表し,日本語の敬語・敬称処理の脳機能計測実験の結果を,Formal Approach to Japanese Linguistics 6 (Humboldt University, Berlin)及びTokyo Conference on Psycholinguistics 2013 (Keio University, Tokyo)で招待講演者として発表した.これ以外にも,Mental Architecture for Processing and Learning of Language 2012 (Yamagata Univesity), International Conference on East Asian Language Processing (Nagoya University)などで成果発表を実施した. 平成24年度に開始した国際共同研究として,7月に北京大学心理学科/認知脳科学研究センターのZhou Xiaolin教授を訪問して情報交換と打ち合わせを実施し,同センターのLuo Yingyi研究員と中国語及び日本語のプロソディーと文処理に関する共同研究を開始した. 平成24年12月に,京都大学において研究分担者を交えた成果報告会を実施し,これまでの研究成果に関して意見交換を実施するとともに,次年度の研究計画に関する打ち合わせを実施した.平成25年3月には韓国大邱大学校において韓国語慶尚北道方言のプロソディーと文処理に関する実験を実施し,平成23年度に実施した韓国語ソウル方言との比較を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度には,韓国(ソウル国立大学)の研究者との国際共同研究の成果を1件,学会において発表することができた.中国(北京大学)の研究者との共同研究では,7月に研究代表者が北京大学を訪問して打ち合わせを実施し,8月に北京大学の研究員が広島大学を訪問して,fMRIを使用した実験について具体的な実験計画を策定した.さらに,広島大学の研究員及び大学院生が平成25年3月に北京大学を訪問して視線計測実験を実施した.日本語を対象とする研究については,すでに顕著な成果を挙げたため,複数の国際学会において招聘講演を実施することができた.以上の進捗状況を総合的に考慮して,研究計画の進展は順調であると考えられる.国際学会における招待講演の内容は,我が国における人文科学の研究成果を国際的に発信できる内容であったことを特筆しておきたい.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,前年までに実施した韓国語と日本語の韻律と統語構造の関係を扱った研究の成果を国際学会(The 8th International Workshop on Theoretical East Asian Linguistics, Taipei; The 23rd Japanese/Korean Linguistics, Boston)において発表する計画である.北京大学との共同研究に関しては,前年末に北京大学において中国語を母語とする日本語学習者を対象とした視線計測実験を実施しているため,このデータの分析を急いで,学会発表を実施することを計画している.さらに,同大学の修了生であるLuo Yingyi博士を広島大学の研究員として迎え,fMRIを使用した脳機能計測の共同研究を実施する計画である.また,前年度に実施した中国語を母語とする日本語学習者を対象とした事象関連電位計測実験のなかで,意味処理に関する研究成果をThe 9th International Symposium on Bilingualism (Nanyang Technological University, Singapre)において,語彙処理に関する研究成果をArchitecture and Mechanism for Language Processing 2013 (Aix Marseille University, France)において発表することを計画している.シンガポールの国際学会においては,現地の研究者と意見交換を実施し,国際共同研究の対象をさらに発展させる可能性を探る予定である.
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