研究課題/領域番号 |
23242037
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 博文 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (80158302)
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研究分担者 |
福田 千鶴 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (10260001)
松澤 克行 東京大学, 史料編さん所, 准教授 (40282529)
白根 孝胤 公益財団法人徳川黎明会, 徳川林政史研究所, 研究員 (60370178)
福留 真紀 長崎大学, 教育学部, 准教授 (60549517)
堀 新 共立女子大学, 文芸学部, 教授 (80296524)
佐島 顕子 福岡女学院大学, 人文学部, 教授 (40225173)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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キーワード | 豊臣政権 / 豊臣家奉行人 / 江戸幕府法 / 江戸幕府人事 / 勘定奉行 / 長崎奉行 / 朝廷 / 藩法 |
研究概要 |
織豊政権期については、織田信長文書、豊臣秀吉文書から、法令に相当するものを抽出し、データベース化を進めた。また、豊臣政権については、奉行人奉書のデータベースを作成中である。武家政権と朝廷の関係では、松澤克行(東京大学史料編纂所准教授)が中心となり、宮内庁編纂の『天皇皇族実録』のうち、後奈良天皇・正親町天皇の実録の綱文データベースを作成した。この成果は、最終年度に、東京大学史料編纂所で作成している近世編年データベースに搭載する。 江戸幕府下においては、幕府法令集である『御触書寛保集成』のデータベース化を完了し、現在分析中である。江戸幕府の人事情報については、前年度に作成した『寛政重修諸家譜』の索引データベースの完成をめざした。 研究分担者は、それぞれの分担研究テーマに従って研究を継続中である。堀新(共立女子大学教授)、佐島顕子(福岡女学院大学教授)は、2013年3月、研究代表者の山本博文が招聘されたカナダのブリティッシュコロンビア大学で開催されたワークショップ『戦争から見た近世の幕開けと社会変動:朝鮮と日本のあいだ』に同行し、それぞれ報告を行った。また、研究の成果はそれぞれ論文として発表しているが、今年度は研究成果の一部を『偽りの秀吉像を打ち壊す』(柏書房)という書籍で刊行した。 江戸幕府の法令・人事については白根孝胤(徳川林政史研究所研究員)が、幕府法と藩法の関係については福田千鶴(福岡産業大学教授)が、田沼期の法令と人事の関係については福留真紀(長崎大学准教授)が、それぞれ分析を続けている。 全国的な史料調査については、豊臣政権期の史料を中心に調査した。調査地は、京都府・方広寺宝物殿、京都府・福知山市郷土資料館、京都府・亀岡市文化資料館、福井県・小浜市立図書館、滋賀県・大津市歴史博物館などである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
織豊政権期については、豊臣秀吉の奉行人文書のデータベース化が進んでおり、また全国的な史料調査も順調に進展している。また、宮内庁編纂の『天皇皇族実録』のうち後奈良天皇・正親町天皇の実録の綱文データベースが完成した。 江戸幕府下においては、幕府法令集である『御触書寛保集成』のデータベース化がほぼ完成した。ただし、これについては、検索のしやすさを検討する必要があり、次年度継続して行う。人事のデータベースである『寛政重修諸家譜』は、検索用データベースを2012年度に作成したことによって、研究遂行上、大変役に立っている。 研究分担者である堀新(共立女子大学教授)、佐島顕子(福岡女学院大学教授)は、豊臣政権期の政治史や日明講和交渉について注目すべき論文を発表している。松澤克行(東京大学史料編纂所准教授)、白根孝胤(徳川林政史研究所研究員)、福田千鶴(福岡産業大学教授)、福留真紀(長崎大学准教授)も、江戸幕府の役職や江戸幕府制度について分析を進め、順調に研究成果を論文として発表している。また、特筆すべき成果として、本科研の共同研究の成果が、2013年3月に開催された国際ワークショップ『戦争から見た近世の幕開けと社会変動:朝鮮と日本のあいだ』(カナダ・ブリティッシュコロンビア大学・許南麟教授の主催)で発表(研究代表者・山本博文、研究分担者・堀新、同・佐島顕子、研究協力者・曽根勇二(横浜市都市発展記念館))され、好評を博したことである。以上の成果から、研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
織豊政権期については、引き続き全国的な史料調査を行って、豊臣秀吉の法令、および豊臣家奉行人の奉書等を蒐集し、データベース化を進めていく。朝廷との関係については、松澤克行(東京大学史料編纂所准教授)が継続して担当し、宮内庁編纂の『天皇皇族実録』のうち、御土御門天皇・後柏原天皇の実録のデータベース化を進める。 江戸幕府の法令については、前年度作成した『御触書寛保集成』データベースを分析して、幕府の政策動向と幕府人事のあり方の関係を追究していく。 分担は、研究代表者の山本博文が全体の研究計画を提起するとともに、織豊政権期や江戸幕府の制度について研究を進めていく。各テーマについては、織豊政権については堀新(共立女子大学教授)・佐島顕子(福岡女学院大学教授)が研究協力者とともに研究を進めていく。堀は豊臣家奉行人奉書のリストアップを継続し、法令と奉行人の関係を分析し、佐島は日朝講和交渉の過程を分析し、豊臣政権の担当人事がどのように変遷するかを検討する。 江戸期の法令・人事については、福田千鶴(福岡産業大学教授)・福留真紀(長崎大学准教授)・白根孝胤(徳川林政史研究所研究員)が中心となって行う。福田は幕府法と藩法との関係の分析を行い、福留は幕府勘定所と長崎奉行の人事について分析を行う。白根は、幕府法令の変遷を分析する。 今年度は、科学研究費交付後、2年が経過し、分担研究者の研究も進行しているので、その成果を共有するため、2013年11月に東京でワークショップを開催する予定である。 全国的な史料調査については、福井県立歴史博物館・富山県富山市郷土資料館・高知県山内神社宝物館などに出張し、豊臣秀吉関係文書の調査を行う。
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