研究課題/領域番号 |
23243025
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
伊勢崎 賢治 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30350317)
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研究分担者 |
粟屋 利江 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (00201905)
八尾師 誠 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20172926)
松永 泰行 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (20328678)
上杉 勇司 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (20403610)
宮城 徹 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 准教授 (30334452)
岡田 昭人 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60313277)
山田 文比古 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 教授 (60509165)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 民族対立 / 民族融和 / 政治的外交寛容 / 大学教育モジュール |
研究概要 |
本取組み「紛争国における政治的・外交的寛容育成のための民族融和教育手法の確立」は、現代の紛争の主たる特徴である民族対立の解決手段としての民族融和の有り様に関する比較研究を行い、その成果に基づいて、政治的・外交的寛容度を高めることを目的とした民族融和のための大学教育モジュールを開発することを目指す、紛争学と教育学の融合的研究を行うものである。 二年目となった当該年度は、民族融和支援のカリキュラム分析、および国家間比較を行う研究に力点を置いた。まず、平成23年度の研究実施後、特に研究が不十分と判断された部分について、民族融和及び民族融和支援手法に関する比較をインド、パキスタンの大学機関および現地コミュニティにおいて行った。具体的には、インド、パキスタンの大学機関において研究蓄積のある、行動社会学分野の中のトレランス・ビルディング手法を中心とした民族融和支援カリキュラムの研究を中心に行った。 また、国内の研究分担者と海外研究協力者の所属大学の間で、先行研究を基盤に討議された骨子に基づき、国際的に基盤となる大学教育モジュール、各国に特化したモジュール、および評価手法の開発を進めた。そのうち、共通部分についてはパッケージ化を行った。なお、協力者が所属する海外大学は平成24年度末時点で、インドのボンベイ大学およびイスラム工科大学、パキスタンのアザッド・ジャンムーカシミール大学およびカイデアザム大学、アフガニスタンのカブール大学、カンボジアのパニャサストラ大学、インドネシアのガジャマダ大学、スリランカのペラデニヤ大学の計8校である。 さらに、研究に関わる意見交換や情報共有のため、海外研究者とは主にビデオ会議システムによる同期コミュニケーションにて、国内の研究分担者とは対面で討議をする機会を設けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二年目となる平成24年度は、民族融和支援のカリキュラムを体系立てて分析し、国家間比較を行う研究に主眼を置くという課題を掲げた。これについては、海外研究協力者の所属大学で実施されているカリキュラムを分析・検討し、研究者間の議論を交えながら比較を行うことができた。 また、各国で共通した基盤となり得る部分について、モジュールや評価手法のパッケージ化を進めることができた。これらの成果に準拠すると、研究はおおむね順調に進展しているといえる。 加えて、年度末に研究分担者、研究協力者などと研究会を行い、開発されたものの共有及び次年度の実施・評価の計画の骨子を作成した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、大学教育モジュール開発、授業の評価、検証とそれが民族融和に与える影響の調査に力点を置き、昨年度の研究結果をより深化させるとともに、全体の評価とまとめを行う。具体的には、インド・パキスタンに加えてアフガニスタン、インドネシア、カンボジア、スリランカと共同でカリキュラムを開発、複数国間で授業を実践し、その評価と検証を行う。また学生および関係者に対するアンケートやインタビューを通じた評価、比較研究にも力を入れる。 さらに、国内・海外の研究者との研究会も引き続き実施する。定常的にビデオ会議システムを利用した定期会議を予定しており、さらに本取組みにおける最終年度の総括として、国際シンポジウムを東京にて実施する。
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