研究課題/領域番号 |
23243026
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
増田 知子 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10183104)
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研究分担者 |
浅野 豊美 中京大学, 国際教養学部, 教授(Professor) (60308244)
井口 治夫 名古屋大学, 環境学研究科, 教授(Professor) (80288604)
滝田 賢治 中央大学, 法学部, 教授(Professor) (50129962)
中村 登志哉 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授(Professor) (70382439)
山田 敦 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授(Professor) (80322767)
池田 慎太郎 関西大学, 法学部, 教授(Professor) (80364107)
川喜田 敦子 中央大学, 文学部, 准教授(Associate Professor) (80396837)
岡崎 哲二 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授(Professor) (90183029)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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キーワード | 日米特殊関係 / 賠償問題 / 東アジア / 戦後復興 / 開発と援助 |
研究概要 |
1. 学会での研究成果の発表:中間研究成果公表のため、2013年10月27日、新潟市で行われた日本国際政治学会2013年度研究大会の部会15を企画・実施した。テーマ「第二次大戦後の賠償問題と戦後秩序形成の新視角」の下で研究分担者3名が報告を行い、分担者および連携研究者がコメンテーターを務めた。報告と討論のテーマは「西ドイツにおける賠償と復興」、「脱植民地化をめぐる帝国的国際政治経済史としての賠償問題」、「日華関係と賠償・経済協力」であった。 2. 国内外での資料調査・収集:金融・為替政策の日米人脈と安全保障の研究では国立国会図書館、独米関係における安全保障と戦後復興の研究では国立国会図書館、ドイツ文化センター図書館、青山学院大学附属図書館、特殊関係と奄美・琉球問題では国立国会図書館、沖縄県公文書館、沖縄県立図書館、琉球大学附属図書館において資料調査・収集を実施した。また、連携研究者がロックフェラー史料館にて資料調査を実施した。 3. 資料データベース:ノッター文書および木内信胤関係文書のマイクロフィッシュ、マイクロフィルムから画像の電子化を行った。木内文書に関しては一応画像電子化を完了し、国会図書館から借用した目録データと現物との照合を行った。ノッター文書については、名古屋大学大学院法学研究科附属法情報研究センター(JaLII)の協力を得て、日独の占領構想・政策に関する資料データベースを作成し、最終的な一般公開に向けて試験的なWeb公開を実施した。 4. 全体研究会の実施:4月に名古屋大学で第5回全体研究会、8月に名古屋大学で研究会を行い、報告予定者による研究成果報告および分担者・連携者全員による討論を行い、国際政治学会部会企画のブラッシュアップを図った。3月には名古屋大学で第6回全体研究会を開催し、最終年度のシンポジウム企画についての全員の構想発表および研究成果報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 中間研究成果の公表:日本国際政治学会部会企画で2011年以来の研究成果を発表したことにより、中心的な研究課題については成果を出し、学会への貢献を行うことに成功した。最終年度5月実施予定のシンポジウム、1月刊行予定の論文集の企画において、この部会の成果をふまえることで、より発展した企画を構想することが可能となった。 2. 資料調査収集:ほぼ予定通りに資料調査・収集を行った。また、最終年度公開予定のデータベースを充実させるため、米国で資料調査・収集を行った。 3. 資料データベース:国立国会図書館憲政資料室の協力を得てマイクロフィルム撮影した木内信胤関係文書については、電子化作業を完了し、PDFで3,786ファイルを作成した。名古屋大学法学部図書室所蔵のノッターファイル(マイクロ資料)に関しては、引き続き電子化作業を行い、2014年3月末時点でPDF約3,700ファイルを作成した。また、データベース公開に向け、名古屋大学法情報研究センター(JaLII)の協力を得て簡易版のWEBページを作成し、試験公開を行っている。 4. 全体研究会などを3回ったことにより、全員がほぼ予定通りに調査研究を行っていることを確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
1. 2014年5月に名古屋大学でシンポジウムを開催し研究の総括を行う。テーマ:「戦後システムの形成における日米特殊関係-東アジアと欧州-(仮)」、セッション「I.大戦後のアジア地域の構造的再編」、「II.経済・金融改革における日米特殊関係の形成」、「III.大戦後のヨーロッパ地域の構造的再編」、「IV.政治改革における日米特殊関係の形成」を予定。 2. 2014年9月までに、シンポジウムの成果を踏まえ、本研究の総括となる論文集刊行に向けた補完資料調査を実施する。日本:国立国会図書館、外務省外交史料館、沖縄県公文書館、沖縄県立図書館、琉球大学附属図書館。海外:ワシントンD.C.国際通貨基金文書館、ドイツ連邦公文書館、アデナウアー・ハウス財団、ドイツ外務省文書館。 3. 2015年1月には、本研究の総括として分担・連携研究者が執筆する論文集『名古屋大学法政論集・特別号「戦後システムの形成における日米特殊関係-東アジアと欧州-」(仮題)』を刊行する予定である。そのために、2014年8月には第7回全体研究会を開催し、論文集刊行に向けて編集会議を実施する。 4. 昨年度一部完成した占領期に関するマイクロ資料のデータベース・検索システムに関しては、引き続き作業を継続し、2月の一般公開をめざす。名古屋大学大学院法学研究科附属法情報研究センター(JaLII)と提携し、データベース公開用のWeb環境を整備するとともに、刊行予定の論集掲載論文とデータベースの資料とを関連付けて表示・検索できるようにするなどして「再現性のある歴史実証論文」のモデルを社会に提示する計画である。それに関連して、年度末までに可能な限りノッターファイルおよび関連マイクロ資料の電子化作業を行うとともに、資料解説論文も別途Webデータベース上に掲載することで資料データベースの拡充をはかる。
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