本研究課題の最終年度にあたる平成25年度においては、当初の計画通り、4月から9月までの6ヶ月間にわたり、ウェブ調査を実施し、時宜にかなった質問項目を含めてタイムリーな分析を行った。各月の調査概要と集計データ、および簡潔な分析は、一昨年度および昨年度同様、研究代表者が所長をつとめる研究所のHPでの公開を行った。25年度においては、代表者、分担者、連携協力者たちがそれぞれ研究成果を発表する機会を増やしていった。たとえば、平成25年10月の日本国際政治学会年次大会では、「理論と方法」セクションにおいて本研究課題を特集したパネルが組まれ、3つの報告がなされた。そのほか、American Political Science Association やInternational Studies Associationなど世界トップ水準の学会や、国内外のさまざまなワークショップにおいても、研究成果の一部が報告された。こうした成果報告の機会において得られた貴重なコメントを生かして、それぞれの論文には修正が加えられつつあり、そのうちのいくつかはすでに公刊され、また公刊が決定されたものもある。代表者らは、引き続き、蓄積された調査および実験データに基づいて、日本人の外交に対する選好形成のさまざまな側面についての分析を進めている。なお、平成25年度においては、24回分の調査票の英訳版の作成にとりかかった。その推敲は平成26年夏までには完了する見込みであり、当初の計画通り、その時点ですべてのデータセットを東京大学社会科学研究所に寄託し一般に公開する。
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