研究課題/領域番号 |
23243032
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
岩崎 一郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70323904)
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研究分担者 |
上垣 彰 西南学院大学, 経済学部, 教授 (70176577)
雲 和広 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70314896)
杉浦 史和 帝京大学, 経済学部, 准教授 (60377041)
鈴木 拓 帝京大学, 経済学部, 准教授 (10509152)
徳永 昌弘 関西大学, 商学部, 准教授 (30368196)
堀江 典生 富山大学, 極東地域研究センター, 教授 (50302245)
溝端 佐登史 京都大学, 経済研究所, 教授 (30239264)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 比較経済 / 移行経済 / 市場経済化 / メタ分析 / 旧ソ連・中東欧 |
研究概要 |
本研究プロジェクトの第3年度に当たる平成25年度は,主として,平成24年度から本格化した「メタ・実証分析段階」の継続,並びに「文献サーベイ及びメタ分析結果の整理・統合と論文化段階」の推進を図った。 この結果,「社会主義破綻の経済倫理」「市場経済化プロセスの経路依存性」及び「外国資本と体制転換」の3テーマについては,その最終成果が,我が国の代表的経済学雑誌『経済研究』に掲載された。また,研究テーマ「外国資本と体制転換」については,(1)外国直接投資(FDI)の決定要因,(2)FDIのマクロ経済成長効果,(3)FDIの技術移転・生産性波及効果という研究領域毎に細分化されたメタ分析も行い,その結果,(2)の研究成果が,国際開発研究分野の代表的査読雑誌であるWorld Development誌に受理された。 また,我々は,中東欧・旧ソ連諸国の市場経済化と環境問題との因果関係を検証した一連の研究の重大性に鑑みて,当該研究テーマに関するメタ分析も新たに試み,その中間的研究成果を査読雑誌『比較経済体制研究』に投稿し,受理された。以上の進展を踏まえて,我々は,メタ分析主要研究課題を,当初の4分野12テーマから5分野15テーマに拡張することとした。即ち,環境問題のメタ分析は,「市場開放と世界経済への統合」研究班の新たな研究課題に加え,一方,FDIのメタ分析に関する3テーマは,「外国資本・多国籍企業・体制転換」研究班の課題として独立させたのである。 残る9テーマについても,平成25年度中に,収集文献の整理・内容把握及び実証結果のデータベース化を逐次進めた。更に,依然未着手ないし十分に掘り下げられていない移行経済研究関連の論点に関する独自の実証研究も同時並行的に進め,その成果の一部を,学術図書や雑誌論文として発表すると共に,学会や国際会議等の場を通じて,学識者や一般市民に向けて積極的に発信した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「研究実績の概要」でも述べた通り,「社会主義破綻の経済倫理」,「市場経済化プロセスの経路依存性」及び「外国資本と体制転換」の3研究テーマを中心に,先行研究のメタ分析作業は目覚ましい展開を遂げた。また,移行経済研究分野において,未着手ないし分析不十分な論点に関する研究チーム独自の実証研究も著しく進展し,これらの結果,平成25年度中に,学術図書4点,World Development,Journal of Comparative Economics,Comparative Economic Studiesという,国際開発論や比較経済論分野を代表する国際的査読雑誌に受理・掲載された論文を筆頭に,雑誌論文及び図書所収論文25点(内,査読付き論文11点)の発表も実現した。更に,日本及び諸外国において,招待講演7件を含む全31件の研究報告も行った。これら一連の成果は,本研究プロジェクトが,先行研究のメタ分析も,研究チーム独自の実証研究も,共に当初の目標を大幅に上回る勢いで進捗していることの証左となっている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究プロジェクトは,全体として大変順調に進展しているが,プロジェクト開始後3カ年度が経過したところで,15あるメタ分析主要研究テーマの間には,その進捗状況に,若干の差異が生じているのも事実である。従って,今後は,研究計画の基本的な目標や枠組みを維持しつつ,やや後れを取っている研究テーマの推進に注力する必要がある。これまでの経験によれば,プロジェクト・メンバーを一堂に集めた集中研究会の実施は,研究作業の大幅な推進に非常に有効であった。そこで平成26年度はやや遅れ気味の「急進主義対漸進主義:改革戦略の政治選択と帰結」,「人口危機・貧困・地域格差」,「共産主義労務管理から自由労働市場へ」及び「モノバンクから二層モデルへ:体制転換期の銀行制度改革」という4つの研究課題を中心に,より頻繁に集中研究会を実施して,研究目標の達成を図りたい。
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