野蛮と啓蒙―経済思想史からの接近

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23243036
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 経済学説・経済思想
• 研究機関: 愛知学院大学 (2013); 京都大学 (2011-2012)
• 研究代表者: 田中 秀夫 愛知学院大学, 経済学部, 教授 (40148599)
• 研究分担者: 大津 真作 甲南大学, 文学部, 教授 (20097752) ; 生越 利昭 兵庫県立大学, 経済学部, 名誉教授 (30094527) ; 関源 太郎 九州大学, 経済学研究院, 名誉教授 (60117140) ; 渡辺 恵一 京都学園大学, 経済学部, 教授 (20148365) ; 米田 昇平 下関市立大学, 経済学部, 教授 (20182850) ; 喜多見 洋 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (30211197) ; 奥田 敬 甲南大学, 経済学部, 教授 (40194493) ; 原田 哲史 関西学院大学, 経済学部, 教授 (70208677) ; 後藤 浩子 法政大学, 経済学部, 教授 (40328901) ; 中澤 信彦 関西大学, 経済学部, 教授 (40309208) ; 伊藤 誠一郎 大月短期大学, その他部局等, 教授 (20255582) ; 松森 奈津子 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (80337873) ; 古家 弘幸 徳島文理大学, 総合政策学部, 准教授 (30412406) ; 太子堂 正称 東洋大学, 経済学部, 准教授 (40511332) ; 村井 明彦 同志社大学, 商学部, 助教 (90609554) ; 川名 雄一郎 京都大学, 学内共同利用施設等, 助教 (20595920) ; 大塚 雄太 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 助教 (70547439) ; 林 直樹 尾道市立大学, 経済学部, 講師 (50713773)
• 研究期間 (年度): 2011-11-18 – 2014-03-31
• キーワード: 野蛮 / 啓蒙 / 経済学 / 改良 / 文明化 / 富 / 戦争 / 平和

研究概要

野蛮という現象は人間本性にどの程度、本質的なのか、人間社会はいつまでも野蛮を克服することはできないのか？　現在もなお我々が直面している問いに啓蒙思想家はどのように取り組んだのか。彼らは専制から市民社会への転換をなぜ主張できたのか。そして18世紀の経済学の形成はどのような文脈で民主主義とつながるのか。こういった歴史分析を通じて、平和で戦争のない、しかし活力を持って共存できる地球社会への展望を模索した。

研究成果

• [雑誌論文] トマス・ホリスとアメリカ独立革命 (2014)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 雑誌名: 愛知学院大学経済学部『経済学研究』 巻: 第1巻第2号 ページ: 1-26
• [雑誌論文] Linguet Redivivus in Contemporary World (2014)
  • 著者名/発表者名: 大 津真作
  • 雑誌名: 甲南大学文学部紀要 巻: 第164号 ページ: 95-111
• [雑誌論文] Reason and Prudence : A Study of the Discussions on the Nature of 'Indians' in Sixteenth-Century Spain (III) (2014)
  • 著者名/発表者名: Matsumori, N
  • 雑誌名: Journal of International Relations and Comparative Culture 巻: vol.12, No.2 ページ: 149-159
  • 査読あり
• [雑誌論文] 英語圏啓蒙思想についての研究 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 雑誌名: 社会思想史研究 巻: No.37 ページ: 8-32
• [雑誌論文] ライオネル・ロビンズの生涯と思想 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 雑誌名: 愛知学院大学経済学部『経済学研究』 巻: 第1巻第1号 ページ: 1-18
• [雑誌論文] アダム・スミスの歴史観 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 雑誌名: 『経済学論究』関西学院大学 巻: 67巻1号 ページ: 37-64
• [雑誌論文] 近代的国家観の異端-マキアヴェッリからスピノザへ- (2013)
  • 著者名/発表者名: 大津真作
  • 雑誌名: 『経済論叢』京都大学経済学会 巻: 第186巻第3号 ページ: 31-47
• [雑誌論文] 産業革命期における「勤労」育成の問題―マシュー・ボウルトンの活動 (2013)
  • 著者名/発表者名: 生越利昭
  • 雑誌名: 『経済学論究』関西学院大学 巻: 67巻1号 ページ: 1-35
• [雑誌論文] 内田・小林論争とアダム・スミス研究 (2013)
  • 著者名/発表者名: 渡辺恵一
  • 雑誌名: 『経済学論究』関西学院大学 巻: 第67巻第2号 ページ: 53-73
• [雑誌論文] 啓蒙の経済学―アベ・ド・サン=ピエール、ムロン、モンテスキューの商業社会論をめぐって(上) (2013)
  • 著者名/発表者名: 米田昇平
  • 雑誌名: 下関市立大学論集 巻: 第57巻第1号 ページ: 39-56
• [雑誌論文] 啓蒙の経済学―アベ・ド・サン=ピエール、ムロン、モンテスキューの商業社会論をめぐって(下) (2013)
  • 著者名/発表者名: 米田昇平
  • 雑誌名: 下関市立大学論集 巻: 第57巻第2号 ページ: 53-72
• [雑誌論文] アントニオ・ジェノヴェージの七段階発展論 (2013)
  • 著者名/発表者名: 奥田敬
  • 雑誌名: 甲南経済学論集 巻: 第54巻3・4号 ページ: 171-193
• [雑誌論文] アダム・ミュラーの自由論と世代間倫理 (2013)
  • 著者名/発表者名: 原田哲史
  • 雑誌名: 関西学院大学『経済学論究』 巻: 第67巻第1号 ページ: 155-186
• [雑誌論文] ゲオルゲ=クライスにおける哲学者E. ラントマンから経済学者E. ザリーンへの影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 原田哲史
  • 雑誌名: 関西学院大学『経済学論究』 巻: 第67巻第2号 ページ: 145-175
• [雑誌論文] 商業論の登場と政治観の変容 (2013)
  • 著者名/発表者名: 後藤浩子
  • 雑誌名: 『経済論叢』京都大学経済学会 巻: 第186巻第3号 ページ: 49-60
• [雑誌論文] Registration and credit in seventeenth-century England (2013)
  • 著者名/発表者名: Seiichiro Ito
  • 雑誌名: Financial History Review 巻: vol.20 ページ: 2
  • 査読あり
• [雑誌論文] Reason and Prudence : A Study of the Discussions on the Nature of 'Indians' in Sixteenth-Century Spain (II)" (2013)
  • 著者名/発表者名: Matsumori, N
  • 雑誌名: Journal of International Relations and Comparative Culture 巻: vol.12, No.1 ページ: 119-128
  • 査読あり
• [学会発表] マンデヴィルとフランスのコンテキスト―奢侈論争との関連で (2014)
  • 著者名/発表者名: 米田昇平
  • 学会等名: 日本イギリス哲学会第38回研究大会(シンポジウム : マンデヴィル『蜂の寓話』刊行300年)
  • 発表場所: 東洋大学
  • 年月日: 2014-03-30
• [学会発表] トマス・ホリスとアメリカ独立革命 (2014)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 学会等名: ヒュームとスミスの会
  • 発表場所: 東洋大学
  • 年月日: 2014-03-28
• [学会発表] 重商主義における野蛮と啓蒙 (2014)
  • 著者名/発表者名: 生越利昭
  • 学会等名: 社会思想研究会
  • 発表場所: 大阪大学
  • 年月日: 2014-02-22
• [学会発表] From Propriety to Impartiality in Adam Smith (2013)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki Furuya
  • 学会等名: International Ricardo Conference, Liberty Tower
  • 発表場所: Meiji University, Tokyo
  • 年月日: 20130916-18
• [学会発表] Fitness as Ingenuity : Judgment of Taste in Adam Smith's Theory of Moral Sentiments (2013)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki Furuya
  • 学会等名: The 40th Annual Conference of the History of Economics Society (HES), Session D3 : 'Eighteenth-Century Economics : Cantillon, Smith, Reid'
  • 発表場所: University of British Columbia, Vancouver, Canada
  • 年月日: 20130620-22
• [学会発表] The Enlightenment Idea of Improvement and its Discontents : The Case of Orkney in the Eighteenth Century (2013)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki Furuya
  • 学会等名: The 17th Annual Conference of the European Society for the History of Economic Thought (ESHET), 'Economic Theory and Business Practice : Their relations through the ages', Session E2 : 'Hume and the Scottish Enlightenment' (Chair : Hiroyuki Furuya)
  • 発表場所: Kingston University, London
  • 年月日: 20130516-18
• [学会発表] ケインズの便宜主義―ケインズはバークをどのように読んだのか? (2013)
  • 著者名/発表者名: 中澤信彦
  • 学会等名: 経済学方法論フォーラム
  • 発表場所: 松山大学
  • 年月日: 2013-12-26
• [学会発表] 反革命思想と経済学―マルサス『食糧高価論』に関する一考察 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中澤信彦
  • 学会等名: 経済学史学会第165回関西部会
  • 発表場所: 名古屋大学
  • 年月日: 2013-12-21
• [学会発表] 社会、言語、思想――スコットランド啓蒙の諸相 (2013)
  • 著者名/発表者名: 古家弘幸
  • 学会等名: 国際基督教大学キリスト教と文化研究所特別公開講演会
  • 年月日: 2013-12-13
• [学会発表] デフォーとイングランド啓蒙 (2013)
  • 著者名/発表者名: 林直樹
  • 学会等名: 経済学史学会西南部会第116回例会
  • 年月日: 2013-12-07
• [学会発表] 社会経済思想史40年 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 学会等名: 愛知学院大学産業研究所
  • 年月日: 2013-12-04
• [学会発表] スペイン啓蒙とその前史―サラマンカ学派イエズス会派を中心に (2013)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 学会等名: 東北大学政治学研究会
  • 年月日: 2013-11-15
• [学会発表] ロビンズ兄妹のこと (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 学会等名: 京都大学名誉教授懇談会
  • 年月日: 2013-11-10
• [学会発表] 哲学的急進派と民主主義 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川名雄一郎
  • 学会等名: 社会思想史学会(セッション「自由主義思想の射程」の報告者)
  • 発表場所: 関西学院大学
  • 年月日: 2013-10-27
• [学会発表] 「啓蒙、郷土愛、国民国家」、セッション「啓蒙、郷土愛、国民国家―コスモポリタニズム・共和主義・ナショナリズム」(報告者 : 伊藤誠一郎、大津真作、田中秀夫)世話人と報告 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 学会等名: 社会思想史学会第38回大会
  • 発表場所: 関西学院
  • 年月日: 2013-10-26
• [学会発表] 寛容とコスモポリタニズム (2013)
  • 著者名/発表者名: 大津真作
  • 学会等名: 社会思想史学会
  • 発表場所: 関西学院大学経済学部
  • 年月日: 2013-10-26
• [学会発表] 「『近代を創ったスコットランド人』をめぐって」、セッション「ヒュームとスミス」 (2013)
  • 著者名/発表者名: 日生越利昭
  • 学会等名: 社会思想史学会第38回大会
  • 発表場所: 関西学院大学
  • 年月日: 2013-10-26
• [学会発表] ルソー焚書事件と社会的ネットワーク (2013)
  • 著者名/発表者名: 喜多見洋
  • 学会等名: 社会思想史学会第38回大会
  • 発表場所: 関西学院大学
  • 年月日: 2013-10-26
• [学会発表] 自由市場の道徳性をめぐる一考察――エドマンド・バークの場合 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中澤信彦
  • 学会等名: 社会思想史学会第38回大会
  • 発表場所: 関西学院大学
  • 年月日: 2013-10-26
• [学会発表] 「イングランドはオランダからなにを学ぼうとしたか? 」セッション「啓蒙・郷土愛・国民国家――コスモポリタニズム・共和主義・ナショナリズム」 (2013)
  • 著者名/発表者名: 伊藤誠一郎
  • 学会等名: 第38回社会思想史学会大会
  • 発表場所: 関西学院大学
  • 年月日: 2013-10-26
• [学会発表] 「有江大介編『ヴィクトリア時代の思潮とJ. S. ミル』三和書房、2013年をめぐって」 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川名雄一郎
  • 学会等名: 経済学史学会関東部会
  • 発表場所: 東洋大学、コメンテーター
  • 年月日: 2013-10-05
• [学会発表] 羽鳥卓也先生のスミス研究(羽鳥卓也先生追悼シンポジウム「古典派経済学研究の課題―羽鳥卓也先生の問題提起を再考する」) (2013)
  • 著者名/発表者名: 渡辺恵一
  • 学会等名: 経済学史学会関西部会第164回例会
  • 発表場所: 甲南大学
  • 年月日: 2013-07-13
• [学会発表] Malthus's Criticism of Paine's Rights of Man (2013)
  • 著者名/発表者名: 中 澤信彦
  • 学会等名: 26th Conference of the History of Economic Thought Society of Australia(HETSA)
  • 発表場所: The University of Western Australia, Perth
  • 年月日: 2013-07-04
• [学会発表] ハードウィック結婚法とエドマンド・バーク―マルサス主義的結婚システムとの関連で (2013)
  • 著者名/発表者名: 中澤信彦
  • 学会等名: マルサス学会第23回年次大会
  • 発表場所: 北海学園大学
  • 年月日: 2013-06-29
• [学会発表] 野蛮と啓蒙の問題設(セッション「野蛮、啓蒙と経済学の形成」) (2013)
  • 著者名/発表者名: 生越利昭
  • 学会等名: 経済学史学会第77回全国大会
  • 発表場所: 関西大学
  • 年月日: 2013-05-26
• [学会発表] ナポリ啓蒙における〈野蛮〉の表象 (2013)
  • 著者名/発表者名: 奥田敬
  • 学会等名: 2013年5月26日の経済学史学会第77回全国大会、セッション「野蛮、啓蒙と経済学の形成」の討論者
  • 発表場所: 関西大学
  • 年月日: 2013-05-26
• [学会発表] 有用性と野蛮」(「野蛮、啓蒙と経済学の形成」セッション) (2013)
  • 著者名/発表者名: 後藤浩子
  • 学会等名: 経済学史学会
  • 発表場所: 関西大学
  • 年月日: 2013-05-26
• [学会発表] 「17世紀イングランドにおける信用と基金」セッション「初期近代グレート・ブリテンにおける信用の制度化をめぐる諸議論」(組織者伊藤誠一郎) (2013)
  • 著者名/発表者名: 伊藤誠一郎
  • 学会等名: 経済学史学会第77回全国大会
  • 発表場所: 関西大学
  • 年月日: 2013-05-26
• [学会発表] ダニエル・デフォーと1710年代の公信用論 (2013)
  • 著者名/発表者名: 林直樹
  • 学会等名: 経済学史学会第77回大会
  • 発表場所: 関西大学、九州共立大学
  • 年月日: 2013-05-26
• [学会発表] J・F・ムロンの商業社会論―啓蒙の経済学 (2013)
  • 著者名/発表者名: 米田昇平
  • 学会等名: 経済学史学会全国大会(セッション : 野蛮、啓蒙と経済学の形成)
  • 発表場所: 関西大学
  • 年月日: 2013-05-25
• [学会発表] 経済学のフランス的起源―ボワギルベールを中心に (2013)
  • 著者名/発表者名: 米田昇平
  • 学会等名: 日仏経済学会
  • 発表場所: 福山市立大学
  • 年月日: 2013-05-18
• [学会発表] What was the issue in the land-bank controversy? (2013)
  • 著者名/発表者名: Seiichiro Ito
  • 学会等名: The 17^<th> Annual Conference of the European Society for the History of Economic Thought
  • 発表場所: Kingston University London, United Kingdom
  • 年月日: 2013-05-17
• [図書] スコットランド啓蒙とは何か (2014)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 総ページ数: 325
  • 出版者: ミネルヴァ書房
• [図書] 野蛮と啓蒙―経済思想史からの接近 (2014)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫 編著
  • 総ページ数: 694
  • 出版者: 京都大学学術出版会
• [図書] 「ハイエクの「法の支配」――自然法論と共和主義的性格」桂木隆夫編『ハイエクを読む』 (2014)
  • 著者名/発表者名: 太子堂正称
  • 総ページ数: 5-34
  • 出版者: ナカニシヤ出版
• [図書] 「サラマンカ学派――『野蛮人』と政治権力」、川出良枝編『岩波講座政治哲学(1)』 (2014)
  • 著者名/発表者名: 松森奈津子
  • 総ページ数: 51-71
  • 出版者: 岩波書店
• [図書] 啓蒙の射程と思想家の旅 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 総ページ数: 218
  • 出版者: 未来社
• [図書] 近代社会とは何か―ケンブリッジ学派とスコットランド啓蒙 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中秀夫
  • 総ページ数: 204
  • 出版者: 京都大学学術出版会