研究課題/領域番号 |
23243038
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷崎 久志 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (60248101)
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研究分担者 |
黒住 英司 一橋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (00332643)
福重 元嗣 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10208936)
難波 明生 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60324901)
川崎 能典 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (70249910)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コンピュータ・インテンシブ / ブートストラップ |
研究実績の概要 |
それぞれの研究代表者・分担者の今年度の研究成果を簡単に記す。 谷﨑(研究の総括と統計的手法の開発の担当)は,Almost Ideal Demand System での推定・検定を行うために,Pairs bootstrap と Moving blocks bootstrap を同時に用いた。その結果,誤差項の分布を仮定せずに,様々な需要関数の性質が成り立つかどうかを検定することが可能となった。福重(コンピュータ・インテンシブな統計手法による実証分析の担当)は,誤差項に系列相関がある不均衡モデルに関して,従来の潜在的な系列相関を持った誤差項の仮定を外し,レジームのスイッチに際して誤差分散が変化するモデルを提案した。黒住(時系列分析に関する統計手法の開発の担当)は,構造変化のあるモデルにおいて変化点を推定した場合の信頼区間の新たな構築方法を開発した。さらに,自己相関係数を利用したパネル共和分検定において,局所対立仮説下における検定統計量の漸近的性質を導出した。川崎(コンピュータ・インテンシブな時系列分析と統計的手法の開発の担当)は,スパース正則化に基づく現代的な変数選択法であるLASSO, SCAD, MCPに円滑閾値型推定方程式(STEE)法を加えて,電話による銀行定期預金の販売促進データを素材にモンテカルロ実験により予測能力の比較を数値的に行った。難波(コンピュータ・インテンシブな統計手法に関するシミュレーション分析の担当)は,構造変化の有無に対する検定であるチョウ検定にダブル・ブートストラップ法を応用し,そのパフォーマンスをコンピュータ・シミュレーションにより分析した。 当初に予定していた 4 つの統計手法の開発も順調に進んでいる。さらに,以上の統計手法の開発と同時に,応用例として,上記の統計手法を用いて,実証分析も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
十分な研究成果が上がっており,しかも,研究報告を通して啓蒙活動も行ている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も今年度と同様に,個々の研究分担者と連携して,研究を遂行する予定である。特に,非線形フィルタの推定方法の開発を行うことを考えている。同時に,その応用として,経済成長のレジーム・スイッチに関する新たな計測方法及び計算方法を提案する予定である。このように,コンピュータ依存の強く計算負担が重い推定や検定を,実証分析に応用する。
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