研究課題/領域番号 |
23243042
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
青木 玲子 一橋大学, 経済研究所, 教授 (10361841)
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研究分担者 |
武藤 滋夫 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (50126330)
長岡 貞男 一橋大学, 商学研究科, 教授 (00255952)
大和 毅彦 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (90246778)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 標準と標準化 / 特許 / 技術革新 / パテントプール / ライセンス / イノベーション / 国際研究者交流(仏、蘭、豪) / 国際情報交換(米国、豪、加、蘭、仏、英国、韓国) |
研究概要 |
【青木・新井他】複数標準の効果を、技術と知的財産権保護の関係を中心に整理・分析した。消費者スイッチングコストや標準顧客基盤など補完的投資のマルチタスク問題の分析により、技術の成熟度が企業戦略と社会厚生に影響することがわかった。現行標準と後継標準の分析では、新勢力企業の投資決定要因に予想市場規模などがあるがわかった。【長岡・塚田・真保】MPEG及びブルーレイについて,標準仕様等データ蓄積と歴史的経緯等実態把握を継続した。世界的な標準の書誌情報のデータベース(Perinorm,23カ国の200の標準機関公刊の140万以上の標準を対象)を導入し、統計的分析用に加工・整備した。ブルーレイ発足過程、パテントプール必須特許、ライセンス状況等について、企業専門家のヒアリング準備を行った。【武藤・大和・岸本】企業間の特許ライセンス、特に国際ライセンスについて非協力ゲーム・協力ゲームの双方の枠組みで分析を行い,その比較を通して,従来の非協力ゲームのみによる分析では得られなかった新たな知見を得た。ライセンス,標準化とメカニズム・デザインの国際ワークショップを東工大で開催した(第6回国際WS)。 平成24年度も引き続き【Evolution of Technology and Standards国際ワークショップ】を開催した。 第4回 4月12-13日、N. Gallini(UBC), K. Maskus(Univ of Colorado), J.P. Choi(Michigan State and UNSW)他 第5回 10月16日 S. Graham(US Patent&Trademark Office)他 第6回 2月14-15日H.Konishi(Boston College), G.Zaccour(HEC Montreal), Y.Chun(Seoul National Univ)他
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【青木他】と【武藤・大和他】の理論分析は順調に進んでいる。平成24年度に開催した3回の国際ワークショップを通じて、招聘した国際的第一線の研究者からのフィードバックをえることができた。また、本研究プロジェクトをアピールすることもできた。【長岡他】のケーススタディーも順調に進んでいる。実務家へのヒヤリングの準備を周到に準備することにより、実際の面接時間を効率よく使うことができている。 以上の平成24年度の研究成果は、査読誌・書籍4本、査読誌投稿中3本、招待論文1本をふくむ計12本の論文にまとめた。さらに、内外の学会で4回の招待講演をふくむ、計12回の報告を行った。
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今後の研究の推進方策 |
【青木他】平成24年度に作成した基礎モデルの拡張を行う。また、モデルを応用することで標準が複数になった場合の議論を行う予定である。標準を切り替えるタイミングなどを新たに戦略的な要素として加え、各企業の研究開発投資や、商品価格がどのように変化するかを考察する。【長岡他】 ブルーレイの発足までの過程、パテントプールの必須特許、ライセンスの状況等について、企業の専門家のヒアリングを行う。Perinormデータベースを特許などの他のデータ分析と連携して、標準の世代交代やランセンスの関係を実証分析する。【武藤、大和他】同課題を協力ゲームやメカニズム・デザインなど枠組により、理論的な分析を深める。 【Evoluation of Technology and Standards国際WS】を数回開催する予定である。ますは、第7回を5月8日に、P.ReyとD.Salantを基調講演者に迎えて行う。
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