研究課題/領域番号 |
23243051
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川北 英隆 京都大学, 経営学研究科, 教授 (80349232)
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研究分担者 |
高橋 智彦 拓殖大学, 政経学部, 教授 (10573587)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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キーワード | 金融危機 / 欧州経済 / 株式市場 / 上場企業 |
研究概要 |
最初の1年間で構築したデータベースと研究体制(情報収集網)を活用することで、前年度に引き続き、2つの方向からの研究を実施することができた。1つは、ヨーロッパの中央銀行や関係機関などを直接訪問することによって生きた情報の収集を行い、ヨーロッパ金融市場の実態の分析を行ったことである。もう1つは、日本とアメリカの株式市場に関して、各々データを分析するとともに、国内の研究機関はもちろん、アセットマネジメント会社などの市場関係者と情報交換を行い、同時に共同研究も実施してきたことである。 ヨーロッパ、とくに中東欧に関しては、ギリシャやキプロスと同様、リーマンショックによって引き起こされた金融危機が民営化と外資の構造と関係して信用縮小を生み、依然として尾を引いている。その実態をより正しく把握、分析することが重要であり、かつ今後の金融市場を見通す上での貴重な示唆が現地の学者や金融当局者から得られると 考えたため、現地を訪問した。実際、そこから得られた情報と分析成果の一部をまとめることで、「スロベニアの金融の独自性」(拓殖大学 論集 政治・経済・法律研究)とした。 日本とアメリカの株式市場については、両国の株価推移および財務データを用いて比較分析を実施し、その結果を暫定的にまとめて市場関係者と議論を行った。同時に、学会(日本価値創造 ERM 学会)で講演した。これらの議論を集約し、研究成果として出版するため、市場関係者の知恵を借りつつ作業を行っている。この出版の目処は今年8月頃、出版社は金融財政事情研究会で決まっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
欧州金融市場および海外株式市場に関する分析成果を、論文や出版物として着実に公表してきている(もしくは公表が決定している)。これらの研究成果は、当初の研究計画に沿ったものであると同時に、新年度以降に計画している研究のベースとして、大いに役立つものと考えられる。 今年度も、この2年間と同様のペースで研究を行うことにより、当初の最終目的を達成できるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
データベース、情報網と協力関係(中央銀行、研究機関、市場関係機関等)はこの1年間においても深化した。今後とも、これらを活用し、場合によっては研究に関する協力関係の強化も考えたい。同時に、これまでの分析によって、断片的な物を含め、研究成果も蓄積されていることから、これらを活用することで、新たな成果の公表を行いたい。なお、今年7月に公開講座での発表も予定したい。 現時点において、研究体制の変更は必要がないと考える。むしろ、これまで構築した情報網と協力関係のより積極的な活用を図ることが重要と考えている。
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