研究課題/領域番号 |
23243061
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉博 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (10168388)
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研究分担者 |
岡田 幸彦 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 准教授 (80432053)
南 知惠子 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90254234)
山本 浩二 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (20166797)
平野 光俊 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10346281)
目時 壮浩 武蔵大学, 経済学部, 准教授 (90548851)
庵谷 治男 長崎大学, 経済学部, 准教授 (20548721)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | サービス・リエンジニアリング / サービスプレミアムの事前作りこみ / ツーリズム管理会計 / サービタイザーション |
研究概要 |
24年度は、23年度に引き続き、サービス・リエンジニアリングの支援モデルの構築を中心に研究活動を推進した。その過程で多くの議論および検討項目が抽出された。これを受けて各研究メンバーがさまざまな分析と調査を行い、その成果の一部は2012年6月16日に早稲田大学で開催されたメルコ学術振興財団主催・サービス・リエンジニアリング研究会共催の管理会計フォーラム~サービス管理会計の革新をめざして~において報告するとともに、『企業会計』2012年12月号(第64巻第12号)特集「サービス・リエンジニアリング――最小コストで高品質のサービスを実現!」を通じて公表した。さらに、研究メンバーの一部は、国内外の学会において積極的に研究成果の発表を行ってきた。 また、23年度に予定していたものの実現できなかった海外からの招聘者によるセミナーも、24年度はThe University of Auckland Business School、Senior LecturerのChris Akroyd氏を招いて6月に実施することができた。このセミナーでは、海外の最新の定性的管理会計研究の動向がサービス産業の事例をもとに紹介され、早稲田大学の教員および大学院生を中心に50名近い参加者を得て、活発なディスカッションが展開された。 さらに、前述のサービス・リエンジニアリング支援モデルの開発と並んで、本研究のもうひとつの柱ともいえる質問書調査も、観光庁ならにび日本観光振興協会の協力を得て国内宿泊約3,000施設を対象に2013年2月に実施し、25パーセントを越える回収率を得ることができた。当該質問書調査の解析は25年度に委ねる結果となったが、この点を除けば、当初予定していた研究目標は概ね達成できたといえるのではないだろうか。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述のように、24年度においては当初予定していた研究目標は概ね達成できたと自負しているが、唯一、質問書調査の実施が、調査対象の繁忙期を避けたために遅れることとなり、その結果、集計作業ならびに統計解析を25年度にて行わなければならなくなった分だけ、研究の進行に遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究が第一に目標としたサービス・リエンジニアリング支援モデルの構築は昨年度までにほぼ完結した。最終年度にあたる本年度では、以下の3つの課題を中心に研究・調査を実施していくことを企図している。 (1)24年度末に、観光庁ならにび日本観光振興協会の協力を得て国内宿泊約3,000施設(国際観光ホテル整備法により登録しているホテルおよび旅館)を対象に質問書調査を実施したが、本年度はその解析を進め、同業種の国際化の現状と課題を明らかにしていく。 (2)上記と関連して、ツーリズム産業のサービス・リエンジニアリングの中心課題とわれわれが認識する、宿泊産業と鉄道・航空産業、飲食産業さらには公共機関とのコラボレーションの推進に向けて、とくに管理会計情報の貢献の在り方を考察するために国内外の事例の探索を積極的に進めていく。 (3)本研究では、いわゆるサービス業のみならず製造業におけるサービス業務も研究の対象としている。近年、メーカーを単に製品を製造・販売する業種としてとらえるのではなく、ビジネスプロセス全体を顧客が要求するサービスを具現化して顧客に提供するためのサービス活動として認識し、製造プロセスも当該活動の一部である と考えるサービサイジングの考え方が台頭してきている。われわれもサービサイジングに重点を置いた調査・研 究を従来から進めてきたが、本年度はこれをさらに深化させ、上記のツーリズム関連の調査と合わせて本研究の二本柱として、その理論的体系化を試みたいと考えている。 なお、上記3つの課題への実践的な取り組みとは別に、中間報告の形で、研究成果を学会およびフォーラム等を通じて積極的に公表していく予定である。
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