研究課題/領域番号 |
23243068
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
大嶋 巌 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (20194136)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | プログラム評価 / 科学的根拠に基づく実践 / 実践家参加型評価 / リカレント教育 / 形成評価 / フィデリティ評価 / 評価ファシリテータ |
研究概要 |
本研究の目的は、こんにち世界的な潮流となっている科学的根拠に基づくソーシャルワーク実践や福祉実践プログラムを推進するために、福祉実践家が実践現場において容易に取り組み得て、積極的に参画・協働することができる科学的で包括的なプログラム評価のアプローチ法を開発すること、そしてそのアプローチ法を活用できる実践家であり評価者でもある人材(実践家評価担当者・実践家評価研究者)を育成して、その人材を継続的に支援するための評価リカレント教育法、実践家評価支援法を開発することにある。さらにその有効性を検討・検証し、より効果的で実用性の高い評価アプローチ法および評価リカレント教育法、実践家評価支援法に発展させることである。 本研究は、第I~第Vフェーズの5段階で進める。24年度は昨年度より持ち越しをした第I・第IIフェーズの評価アプローチ法(含・評価支援ツール)・評価教育法・評価支援法の開発を引き続き行った。第III・第IVフェーズについては、3評価課題ステージ(①プログラム開発評価、②効果的プログラム形成・改善評価、③効果的プログラムモデル実施・普及評価)の効果的プログラム形成・改善評価ステージにおいて開発した評価実施マニュアル・評価支援ツールを用いて実践家参画型形成評価プロジェクト説明会(実践セミナー)を開催し、実践現場で活動する実践家評価担当者を対象に評価研修や該当する評価課題への評価実施方法の構築と評価ツールを用いた評価演習を行った。 また、韓国のプログラム評価研究者を招へいするなどして、聞き取り・意見交換調査を行い、幅広い議論をして情報収集を行った。昨年度作成したウェブサイトを活用し、情報交換・セミナーや研修会などの情報提供の場とするとともに、実践家と連携・協働して効果的な実践プログラムモデルを改善するなどして発展させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、第Vフェーズの5段階ある中でこれまでに第I・第IIフェーズにおいて評価実施マニュアル・評価支援ツールを開発し、開発された評価アプローチ法に基づく教育法、実践家評価支援法を3つの評価課題ステージごとに検討して開発を進めた。第III・第IVフェーズでは、対象プログラムへの協力事業所を募り実践現場の関係者とともに評価教育モデル介入の実施方法を協議し、実践家評価担当者を対象にしたプログラム評価研修を行うなどして、より効果的で実用性の高い評価アプローチ法および評価教育法・評価支援法を発展させており当初の予定通りおおむね順調に進展をしている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、前年度から引き続いて行われている第IIIフェーズおよび第IVフェーズを引き続き実施する。 第IIIフェーズでは各実践プログラム各事業所に評価ファシリテーターが関与し、評価担当者による評価実施マニュアル・評価ツールを用いた評価実施を支援する。評価支援センターによる追加研修、評価コンサルテーションの実施を行いながら、より効果的で実用性の高い評価アプローチ法および評価教育法、評価支援法を発展させていく。 第IVフェーズでは、3評価課題ステージごとに対象となる福祉プログラムを設定し、評価教育モデル介入を実施する。評価教育モデル介入効果評価として、1)評価教育モデル介入に参加する事業所への効果評価、2)実践家評価担当者および福祉プログラム評価実施事業所スタッフへの効果評価、3)プログラム利用者への効果評価、4)評価ファシリテータへの効果評価を行う。方法として、1)では、参加する事業所に対し評価ファシリテータによる評定調査を行い、2)では、参加事業所担当者に対し自記式調査票を用いて評価をする。3)では、参加事業所のプログラム利用者に対し、記録に基づき介入実施期間中の変化を評価(評価項目はプログラムゴールに関わるアウトカム指標の到達点)し、4)では、評価ファシリテータに対し自記式調査票を用いて評価教育モデル介入の実施前後2時点で評価する。介入モデルの有効性を、福祉実践家の意識と行動、福祉事業所のサービス向上、利用者のゴール実現と状態改善などの観点から検証する。
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