本研究の目的は、こんにち世界的な潮流となっている科学的根拠に基づくソーシャルワーク実践を推進するために福祉実践家が実践現場において容易に取り組み得て積極的に参画・協働することができる科学的で包括的なプログラム評価のアプローチ法を開発すること、そのアプローチ法を活用できる実践家であり評価者でもある人材を育成し継続的に支援する評価リカレント教育法、実践家評価支援法(「評価・教育支援アプローチ法」)を開発することにある。本研究は第Ⅰフェーズから第Ⅴフェーズの5段階で進めた。平成26年度は最終年度であり、第Ⅳフェーズである「評価・教育支援アプローチ法」の有効性評価と、第Ⅴフェーズである「評価・教育支援アプローチ法」の改訂と公表・普及を行った。 第Ⅳフェーズ・「評価・教育支援アプローチ法」の有効性評価では、全国試行評価調査を実施し、その経験の中から評価・教育支援アプローチ法の検証を行った。具体的には、①評価モデル介入参加事業所による評価、②実践家評価担当者および福祉プログラム評価実施事業所スタッフへの評価、③プログラム利用者のデータ分析、④評価ファシリテータへの評価を行った。この結果に基づいて、評価に関わった実践家らと意見交換会を開催し、より有効性の高い「評価・教育支援アプローチ法」を検討して、そのアプローチ法を改定した。 第Ⅴフェーズ・「評価・教育支援アプローチ法」の改訂と公表・普及では、ウェブサイトのリニューアル・コンテンツの追加を行うとともに、実践家参画型評価アプローチの「改善ステップ」:改善の12ステップを開発して社会福祉学会等で発表し、関係者の意見を求めた。また教育研究者および実践家、その他関係者との意見交換会を実施し、より効果的な福祉実践プログラムを開発、継続的改善、実施・普及を進めるために有用な「評価・教育支援アプローチ法」について提示・検討し、共通認識と理解を得た。
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