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2011 年度 実績報告書

災害時の効果的かつ実際的な心理社会的支援活動のための教育訓練プログラムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 23243072
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

前田 潤  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90332478)

研究分担者 齋藤 和樹  日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 准教授 (50289766)
青柳 宏  文化学園大学, 現代文化部, 教授 (30352488)
須藤 秀紹  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90352525)
小林 正幸  東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (70272622)
小澤 康司  立正大学, 心理学部, 教授 (00305939)
キーワード災害 / 心理社会的支援 / 教育訓練プログラム / 東日本大震災
研究概要

本研究申請段階では予測していなかった東日本大震災が2011年3月に日本を襲い、かつ本研究も2011年11月に再採択になったことを受けて、申請時に計画していた災害専門機関である日本赤十字社の「こころのケア」教育の教育研修プログラムに特化した研究から、より実際的な東日本大震災で行われている支援活動の展開や調査活動などのフィールドワーク研究も行う必要があった。また、研究内容と研究対象の幅広さに対応出来るように、研究分担者や研究協力者の増員を図った。 研究代表者初め、研究分担者の多くは、東日本大震災に対する日本赤十字社や臨床心理士会、その他団体の支援活動に主導的、主体的に関わってきた。 今年度の本研究実績として、次の3点が挙げられる。
(1)被災地および避難地域での被災者の支援、支援者支援 本研究費が採択された11月には、避難所はほとんどが閉鎖され、被災者は仮設住宅あるいは、被災地から遠い避難地域に転居している時期で、急性期支援から中長期支援の模索が行われた。子どもを対象にしたキャンプの企画実施、大人や子どもを対象とした仮設住宅での集会所の支援、親戚宅への避難者と受け入れ者の相談体制の構築と実施、幼稚園教員、保育士、教育関係者への研修や相談受付体制の構築と実施を行った。
(2)日本赤十字社の支援活動の実態とその従事者へのアンケート調査の準備 東日本大震災に際して行われた日本赤十字社の心理社会的支援活動に研究代表者らは直接一部に関わってきたが、支援活動領域の幅が広くまた関わった人員もかつてない規模であり、全容を把握すべく資料の収集を行った。また、関係者の一部へのアンケートの実施し、アンケート項目などの検証を行った。
(3)知見の公表と学術交流等の推進 学術集会および研究集会、または地域の要請に従って、災害支援にかかわる知見や東日本大震災で得られた知見を積極的に公表し、さらに学術的知見を高めるための研修に参加した。発表および招待講演の一部は、成果として挙げた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

災害支援の有効性は、支援を具体的に展開し実施して初めて検討出来る。その研究の場は、具体的現実の災害被害の現場にあり、しかも、大規模災害においては広範囲にわたる被害地域、多数の被災者や支援者などの関係者があり、その実態の包括的解明は容易ではない。しかし、本研究での研究者は、主導的かつ主体的に支援活動に関わりあるいは活動を展開し、その経験を積極的に公表し、あるいは研修に参加して、学術の進展とともに研究推進のための技量と関係者との交流に務めている。全体の中では、―部ではあっても、研究の目的を達成するために一定の研究成果を挙げていると考えている。

今後の研究の推進方策

次年度以降も、やはり東日本大震災にかかわる心理社会的支援活動の本研究計画関係者の取り組みを推進かつ総括し、同時に、災害専門機関としての日本赤十字社の東日本大震災での支援活動の資料を収集分析する。災害支援の教育研修プログラムは、我が国の文化や社会体制とも関わるが、災害支援は国際的課題の一つであることから、海外の研究者との交流も図り、災害支援の有効性を高めるための個々の方法はもちろんであるが、組織的な体制づくりについても検討を行う。そのため適宜適切な国内外の研究者に研究協力を依頼する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] 避難所での活動2012

    • 著者名/発表者名
      齋藤和樹・前田潤・小澤康司・槙島敏治
    • 雑誌名

      心理臨床の広場

      巻: 4巻(依頼論文) ページ: 16-17

  • [雑誌論文] 学校における緊急支援の経験から-準備・初期・中長期の支援2012

    • 著者名/発表者名
      小澤康司
    • 雑誌名

      子どもと学校臨床

      巻: 第6号(依頼論文) ページ: 41,262

  • [学会発表] 子どもの心を支える学校の今とこれから-東日本大震災から1年が経過して-2012

    • 著者名/発表者名
      小林正幸
    • 学会等名
      日本学校メンタルヘルス学会第15回大会大会長講演
    • 発表場所
      代々木オリンピックセンター
    • 年月日
      2012-03-11
  • [学会発表] 東日本大震災から学んだこと2012

    • 著者名/発表者名
      小林正幸
    • 学会等名
      日本学校メンタルヘルス学会第15回大会大会企画シンポジウム
    • 発表場所
      代々木オリンピックセンター
    • 年月日
      2012-03-11
  • [学会発表] 国際赤十字による災害援助2011

    • 著者名/発表者名
      前田潤・齋藤和樹
    • 学会等名
      日中災害事例研究会
    • 発表場所
      中国成都成都師範大学
    • 年月日
      2011-12-24
  • [学会発表] 震災復興に向けての心理劇2011

    • 著者名/発表者名
      前田潤
    • 学会等名
      日本心理劇学会
    • 発表場所
      米子コンベンションセンター
    • 年月日
      2011-12-03
  • [学会発表] 東日本大震災の被害・対応とこころのケア2011

    • 著者名/発表者名
      前田潤
    • 学会等名
      北海道建築技術協会
    • 発表場所
      札幌男女共同参画センター
    • 年月日
      2011-12-01
  • [学会発表] 災害時のこころのケア2011

    • 著者名/発表者名
      前田潤
    • 学会等名
      日本ファーマシューティカル学会
    • 発表場所
      金城学園大学
    • 年月日
      2011-11-27
  • [学会発表] 東日本大震災後に求められるケア「みどりの東北元気プログラム」による被災地の教師支援と子ども支援2011

    • 著者名/発表者名
      小林正幸
    • 学会等名
      日本行動療法学会第37回大会
    • 発表場所
      家の光会館
    • 年月日
      2011-11-27

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公開日: 2013-06-26  

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